「カントン島異聞」の巻
カントン島という島がある。
南太平洋の、ハワイとフィジーの中間辺りに位置する島である。
フェニックス諸島に属しており、唯一の有人島だ。
フェニックス諸島は、無人島だらけなのであった。
「えええ? めっちゃ綺麗なとこやないか?!」
かりんとう村の村長は、カントン島の写真を見て、うらやましそうに言った。
「ウチの空き家だらけ、雑草生え放題の村とはエラい違いやなあ」
「ところが村長、ウチの村はこの綺麗な珊瑚礁の島と互角なんですよ」
カントン島の写真を持って来た村民が言った。
「えっ? なんやて? この世界自然遺産に登録されている島とウチの村が互角?!」
「資料のここを見て下さい、村長」
「うおっ? 住民二十人やて?!」
声を裏返して叫ぶ村長。
「ウチの村と、とんとんやないかい!」
なぜか自信を深める村長であった。
「やるで! フェニックス諸島と姉妹都市結ぶで!!」
(カントン島とんとんか)
かんとんとう、とんとんか?!
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明日も「続・のほほん」を投稿します。
明日、木曜日は、
「召しませ!『蛮行の雨』転生したら場違い工芸品にされたって本当ですか?! ホンマです!!」
第四十七話「化けチツテト」前編を投稿します。
後編は、金曜日に投稿予定です。
よかったら、読んでみて下さい。