「水宮」の巻
学校の野外活動で、学生たちが水宮見学にやって来た。
水神を祀っている神社である。
カエルが多いのは、そのためだ。
そして学生たちは、その水宮に勤める巫女に恋をした。
物腰がしとやかで、なにより美人だったのだ。
その神秘な見た目は、巫女衣装と化粧のマジックだったが。
「あんな美しい人、初めて見たよ」
人間は見た目だ、と考えている学生が言った。
「デートに誘おうぜ」
学校の半分の女生徒に声を掛けた学生が言った。
「きっと頭脳明晰に違いないよ」
カンニングで成績トップの学生が言った。
「彼女が誰を選んでも、恨みっこなしだぜ」
美容整形済みの学生が言った。
学生たちにデートに誘われ、巫女は美しい声で、楽しそうに、
「ホーーホケキョ!」と鳴いた。
人手不足の水宮に、近くの竹林から助っ人に来たウグイスが、巫女に化けていたのだ。
(水宮の汝美人なのウグイス)
すいぐうのなんじ、びじんなの。うぐいす!!
お読みくださった方、ありがとうございます。
明日も「続・のほほん」を投稿します。
「召しませ!『蛮行の雨』転生したら場違い工芸品にされたって本当ですか?! ホンマです!!」
第四十四話「蹴撃のロングブーツ」前編は、明日、火曜日の投稿になります。
後編は、明後日、水曜日に投稿予定です。
よかったら読んでみて下さい。
ではまた明日、「続・のほほん」と「蛮行の雨」で。




