「恋の勢い」の巻。その他
「恋の勢い」の巻
「ううっ。毎日毎日、ぼくをボロクソに叩きやがって」
「だって、そういう役目でしょう。お互いに」
「うるさいっ。今日もバチクソに叩きやがれ!」
「ええっ? あなたって、そういう性癖?!」
どんどんどどん! どんどどん! どんどこどどん!
「うおーー! バチ子さん、好きだああーー!!」
「きゃーーっ! マゾ太鼓っ!!」
(和太鼓の恋だわ) わだいこの、こいだわ!!
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「作り直す。小さい事から」の巻
「あんさんには何の怨みもないけど、死んでもらうでええ」
宇宙の果てからやって来た、正体不明の暗黒エネルギーが言った。
「ま、待て! 化学結合の事を考えろ」
わたしは狼狽えて叫んだ。
「わたしが居なくなったら、原子がどうなると思っているんだ」
「うっさい、上からのお達しなんや。お前を殺さんと、こっちの命が危ないんじゃい!」
「上? 上だと? 神か? 神が原子構成からやり直すと言っているのかっ?!」
「やかましいわ! すでに反量子もダークマターもワイの味方じゃい! 死ねえ!!」
「ぎゃーーー!!」
そうして、新しい原子構造の宇宙が始まった。
(価電子よ死んでか) かでんしよ、しんでか!!
お読みくださった方、ありがとうございます。
明日も回文オチのショートショート「続・のほほん」を投稿します。
同じ回文オチの短い物語「魔人ビキラ」が完結しています。
よかったら読んでみてください。
ほなまた明日、「のほほん」と「蛮行の雨」で。
 




