「ミノウノカミフサフサ」の巻
美濃の国とは、現在の岐阜県の事である。
その美濃の国に、大怪獣が迫っていた。
そこに立ちふさがる英雄、ミノウノカミフサフサ。
フサフサの一本シッポが自慢の化け物であった。
「フサフサ、頼んだぞ。あの大怪獣をここで止めてくれ」
フサフサに願いを託す飼い主のコータン。
「でないと日本が滅茶苦茶になっちまう」
「まかせろコータン。必ずやこの地で、あの大怪獣を止める!」
大怪獣とフサフサは、くんずほぐれつの戦いを始めた。
山間に、平らな土地が出来た。
後に、合掌造りで世界遺産に登録される白川郷である。
(諸説あります)
飛騨高山でも金色の火花を散らして暴れ回り、それを見た人々が後に山車とカラクリ人形を作った。
春の高山祭である。
(諸説あります)
地上では勝ち目なしと見たフサフサは、地下に潜って、時々、温泉を掘り当てた。
下呂温泉の誕生秘話である。
(諸説あります)
劣勢だったフサフサは、最後の力を振り絞り、忍法で大怪獣ごと美濃の国を呑んだ。
飛騨忍法の由来である。
(諸説あります)
そして大怪獣を胃液で溶かし、自分も力尽きて消滅した。
人々の記憶からも、フサフサと大怪獣の戦いはほとんど溶けて消え、今は神社の百度石にチラホラと、猫の彫り物が残っているばかりである。
(諸説あります)
(美濃を鵜呑み)
みのうを、うのみ!!
読んでくださった方、ありがとうございます。
明日も「続・のほほん」を投稿します。
同時投稿中の、「召しませ!『蛮行の雨』転生したら場違い工芸品にされたって本当ですか?! ホンマです!!」も投稿します。
明日の木曜日は、第三十六話「カウ・ヴォンの盾」前編を、
明後日の金曜日には、後編を投稿予定です。
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