「ご苦労の果て」の巻
「我が日本御苦労学会にようこそ」
と、御苦労学会の会長は言った。
「よろしくお願いします」
御苦労が服を着たような見た目の、ミトダさんが頭を下げた。
「では、入会テストを受けて頂きますが、よろしいかな?」
「たいていの苦労は経験済みです。やんわり来て下さい」
「えーー、こちらに見えますのが、一千馬力のロボットです」
と、全高三メートル、重量二トンの人型ロボットを指す会長。
「苦労して倒して下さい」
「え? 一千馬力?! 無理ですよ、そんな」
「かの鉄腕アトムは、十万馬力で物語がスタートしましたが、世のインフレの津波をモロに被って、途中から百万馬力にパワーアップしました。それに比べれば、千馬力などカッパの屁ですよ」
「いえ、私はお互いの苦労の傷痕を舐め合う場所が欲しくて……」
「ほらほら、ノウガキ垂れてると腕を千切られますよ」
「無茶ですよ、そんな!」
「苦労は六文字で表わして下さい」
「あっ、手が千切れる!」
「六文字です!」
「あっ、あっ、足も千切れる」
「六語だと言っとろうが!」
「首が首が」
「よし、合格!」
「死ぬ死ぬ死ぬ!」
「大合格です!」
(御苦労録で苦労六語)
ごくろうろくで、くろう、ろくご!!
お読みくださった方、ありがとうございます。
明日も、回文オチでポン! な「続・のほほん」を投稿します。
明日は、「召しませ!『蛮行の雨』(中略)ホンマです!!」
第三十四話「ロウロイド隊長の汚名」後編を投稿します。
よろしくお願いします。
ほなまた明日、「のほほん」と「蛮行の雨」で!




