ビキラ外伝「ビキラと喫茶店」の巻。その他
「ビキラと喫茶店」
「ぷあっ」
喫茶店に入るなり、白い霧を吹きかけられた魔人少女ビキラは、思わず呻いた。
殺菌用の噴霧であった。
「殺気をぶつけられるよりはマシだわ」
「殺気喫茶 (さっききっさ)」の事である。
夏場は涼しいのだが。
そしてこの喫茶店は、
「殺菌喫茶 (さっきんきっさ)」であった。
テーブルに付き、注文に来たウエイトレスに、
「ねえねえ、親鸞て、目が悪かったって、知ってた?」
と、聞くビキラ。
「親鸞? 浄土真宗の宗祖とされる、あの親鸞ですか?」
と、若いウエイトレスは答えた。
「その親鸞よ」
と、ビキラ。
「観覧車に転生された話は聞いた事がありますが……」
「観覧車親鸞か (かんらんしゃ、しんらんか?!)」
である。
「目が悪かったと言うのは、都市伝説ではありませんか?」
「やっぱりそうよねえ」
と、眉を寄せるビキラ。
「よくある陰謀説じゃろう」
と、相棒の古書ピミウォ。
「じゃあ、とりあえず、いちごフラッペふたつ」
と、ビキラは注文した。
(親鸞乱視) しんらん、らんし!!
*** *** ***
「ビキラと崖崩れ」
「うわあっ、崖崩れだっ!」
魔人少女ビキラは、叫んだ。
「逃げろ! 逃げるのじゃーー!!」
相棒のピミウォが、周囲の人々に注意をうながす。
どどどどどどどどどどどどどどど!!
崩れてゆく生臭い崖。
「後で拾いに来るからなーーー!」
ビキラは念を押して叫んだ。
(毛蟹崖) けがにがけ!!
お疲れ様でした。
読んで下さった方、ありがとうございます。
明日も、「続・のほほん」を投稿します。
タイトルを、「回文オチ」を強調したものに変更しました。
意味は、不明な方向に深まった気がします。
ではまた明日、のほほん、で。




