表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
回文オチで、ポン!「続・のほほん」  作者: にれ たつや
182/276

「ブランド米」の巻

後発の米作りである。


すでにブランド米は多い。

  コシヒカリ。

                ひとめぼれ。

       あきたこまち。

    おぼろづき。

           ゆめピリカ。

雪若丸。

     ササニシキ。


「ブランド米を超えようなんて、やめときましょうよ、オヤジさん」

一番弟子のヒロキが言った。


「何を言ってやがる。作る限りはブランド超えだ!」

オヤジさんの鼻息は荒かった。


苦節十年というか、屈折十年というか、オヤジさんの遺志を継いで、ついに一番弟子ヒロキは見事なブランド米を(つく)り上げた。


オヤジさんが志半(こころざしなか)ばで(やまい)に倒れ、他界して五年が経っていた。


「見て下さい、オヤジさん! ついにやりました!」

天に向かって稲穂を突き上げる一番弟子ヒロキ。

何処(どこ)に出しても恥ずかしくない銘柄米ですよ!」


そう言って、もみ殻を()く一番弟子。


中の胚乳(はいにゅう)、つまり白米には、一粒一粒、「JIS」の模様があった。


「JISマークの入った米粒が、ブランド米でなくてなんだ?!」

一番弟子ヒロキは、誇らしげに笑った。


「いや、ワシが言いたかったのは、そういう意味じゃなくて……」

天国のオヤジさんは下界を(のぞ)き、つぶやいていた。


唐揚げ大賞を見るまでもなく、金賞の種類は多い。

しっとり米部門。

         ふっくら米部門。

                 甘味米部門。

 あっさり米部門。

          酸味米部門。

そして、模様米部門。


オヤジさんの夢は果たされたのであった。

オヤジさんの意には、反する形で。



(筋金入り稲がJIS)

すじがねいり。いねが、じす!!




最後までお読みくださった方、お疲れ様でした。

ありがとうございました。

明日も「続・のほほん」を投稿します。


同時連載中の、

「召しませ!『蛮行の雨』転生したら場違(オー)工芸品(パーツ)にされたって本当ですか?!」

も、出来ればよろしくお願いします。


ではまた明日、「のほほん」と「蛮行の雨」で!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ