「ハゲ山の位置や」の巻
古事記や日本書紀にも登場する、有名な山であった。
滋賀県と岐阜県にまたがる山であったが、そこにその山があったがために、滋賀と岐阜は分たれたのだと言う。
松尾芭蕉の、
「そのままよ月は頼まじ伊吹山」
で有名な、伊吹山の事である。
ハゲ山としても有名であったが、侵略的特定外来植物、
「ハゲハユルサジソウ」がはびこり、近年は緑なすフサフサの山になってしまった。
「とりあえず焼いてしまおう」
「そうだ、山焼きが良い」
ハゲハユルサジソウは乾燥に強く、千切れ落ちた茎からも再生した。
引っこ抜いても、わずかに残った根から芽吹いた。
そうして伊吹山の山焼きは、名物になった。
外来植物は毎年、再生したからである。
「もっとシッカリ焼かねば駄目だ」
「『吉』とか『幸』とか、文字を残したのが悪かったんだ」
違うってば、根が残っているんだってば。
「京都の大文字焼きを真似たんで、バチが当たったのかも知れん」
ワシの話を聞け!
根絶やしにするんだ!
根絶やしだ!
ワシのハゲ頭を守りたければ、もっと真剣に駆除するのだっ!!
伊吹山の叫びも虚しく、
今年も山焼きが行われるのだった。
(伊吹山焼き部位)
いぶきやま、やきぶい!!
お読みくださった方、ありがとうございます。
明日も「続・のほほん」を投稿します。
今回の話を書くにあたって、最強最悪といわれる特定外来植物を参考にしました。
凄まじい繁殖力で、ゾッとしてしまいました。
負けずに明日も投稿します。




