「ドナウの流れ」の巻
「土用の丑の日という、夏にウナギを食べる風習は、江戸時代の蘭学者・平賀源内の発案であると言う。
ウナギ屋は、夏場は売り上げが落ちるのだそうで、そこで平賀源内に知恵を借りに行った。
「なんとかなりませんか、先生?! ウナギの売り上げを上げたいんですっ!」
そこで出た、
「看板を出しなさい。『本日 土用丑の日』これで良いでしょう」
「えっ? たったそれだけの事で?!」
たったそれだけの事だったと言う。
火のない所に煙を立てて、旬ではないウナギの、「土用丑」の風習は大成功となったのだった。
「あの『土用丑』にあやかりたいよねえ」
と、丼屋協会の面々。
「しかし、すでに日本は津々浦々、どこに行っても丼屋があるぜ」
「そうだ。下手に新しい事をやったら、店の潰し合いになるだけじゃないのか?」
「やるんなら、ヨーロッパだね」
と、ウナドン屋。
「おや。ウナドンさん、何か考えがあるんだね?」
と、テンドン屋。
「まあ、手始めにドイツかね」
首をひねって見せるウナドン屋。
「おう、森鴎外が留学に行った国!」
と、タマゴドン屋。
「ドナウ川も流れておるしな」
と、肝心な点を発言するウナドン屋。
「ドナウ川で何をやるんだ?」
と、カツドン屋。
「屋形船を出してだね、日本の風情を訴えながら、丼物を食べて頂くのさ」
「おう、日本情緒。イケるかね?」
とギュウドン屋。
「やってみる価値はあると思うね」
ウナドン屋は、自分の事しか考えていなかった。
幟の文句は、もう考えていた。
(これは、ウチしか当てはまらぬ日本の言語文化であり、日本情緒なのだ。ぐふふふふ)
以下のようなモノである。
↓↓↓
(鰻丼ドナウ)
うなどん、どなう!!
お読みくださった方、ありがとうございます。
明日、土用の丑の日も、「続・のほほん」を投稿します。
回文ショートショート童話、第一部「のほほん」は、111で完結しています。
よかったら、読んでみてください。
「続」とどう違うかと言うと、「魔人ビキラ」の宣伝のために急遽始めたので、ガムシャラに書いて、三ヶ月くらいで頓死したのでした。
「続」は、のんびりと、のほほんと、長く続けたいと思っています。
ではまた明日、のほほん、で。




