ビキラ外伝「ビキラと星座」の巻。その他
「ビキラと星座」の巻
魔人少女ビキラと、相棒の古書ピミウォは、旅館の部屋の窓辺に身を寄せて、夜空を眺めていた。
「双子座ね。あれは」
「冬の大三角形は、深夜なら夏でもバッチリじゃのう」
「近所の、あの四角形に見える星座は、なんだっけ?」
ピミウォは、「ド忘れした」とは言えず、苦しまぎれに思いついた星座を言った。
「あーー、座布団座じゃ」
「ほんとだ。そう言われれば、座布団に見える。真ん中に三つ星の模様があるのね」
三つ星の真ん中の光は、実は星雲なのだが、余計な事なので黙っているピミウォだった。
「そ、そうなのじゃ」
オリオン座、と言う名前を思い出したが、今さら訂正出来ない爺いの意地があった。
「座布団が、おうし座をめざして飛んでおるのじゃ」
「牡牛が大喜利で上手いこと言って、『座布団一枚!』みたいな事になったのかしら?」
「その通りじゃ」
ピミウォは、毒喰らわば皿まで、の心境であった。
「物知りねえ、ピミウォは」
「あーー、正しくは『座布団飛ぶ座』じゃ」
ヤケクソで、さらに嘘を重ねるピミウォであった。
(座布団飛ぶ座)
ざぶとん、とぶざ!!
*** *** ***
「ビキラとサメの群れ」の巻
水族館の大水槽を見て回って、
「あっ、サメが身を寄せ合っているわ!」
と、声を上げる魔人少女ビキラ。
「ほほう、沢山おるのう」
と感心する古書ピミウォ。
「雑魚寝しているのかしら?」
「一部のサメは、エラが動かせないので、泳ぎ続けないと死んでしまうらしいが、こやつらは違うのであろう」
「雑魚寝よね、雑魚寝!」
「う、うむ。そう見えるのう」
(猫鮫雑魚寝)
ねこざめ、ざこね!!
読んで下さった方、ありがとうございます。
回文妖術師と古書の物語「魔人ビキラ」第一部は、完結しています。
回文オチは同じで、時々、言葉遊び合戦をします。
回文VS駄洒落みたいな。
よかったら、読んで見て下さい。
のほほん、は、また明日も投稿します。




