ビキラ外伝「夏の仕組み」の巻
魔人少女ビキラは、賞金稼ぎである。
今日も、おたずね者を探して街を歩いていた。
「夏はなぜ暑いか知っておるか? ビキラよ」
相棒の古書ピミウォが、ビキラに言った。
「暑いから暑い! と言う答じゃ、駄目な訳?」
「駄目なのじゃ。ビキラよ、地球は太陽の周りを回っているのは、知っておるな?」
「公転、でしょ?」
「そうじゃ。そして少し、傾いた状態で回っているのは知っておるか?」
「うん。『公転軸の傾き』でしよ? 小学校で習ったような気がする」
「その傾きのせいで、太陽の熱と光を存分に受けている時が、夏じゃ。暑いのじゃ」
「ふーーん。で、それ、この炎天下に言わなきゃ行けない話?」
「暑いのでな、少しでも暑気払いになればと……」
「じゃあ、下手な駄洒落を言えば良いじゃない。すごく冷えるわよ」
「フェイクばっかり、フェイスブック」
「当たり前の事じゃん」
「家訓が膝カックン」
「それ、昔に戦った駄洒落妖術師が言ってたヤツじゃん」
「木更津に来らず」
「来ないでどうなったの?」
「ハチのゲロ。ゲロ甘い」
「それ、ハチミツの事じゃん。ダジャレじゃないわよ」
「あん馬する産婆」
「御殿場の御転婆」
「こん畜生な建築賞」
「うう。だいぶ寒くなってきたわ。ありがとうピミウォ」
「夏の科学じゃのう。ぶるぶるぶる」
ビキラとピミウォは、震えながら夏の炎天下を彷徨い続けた。
おたずね者を求めて。
(苦が勝つ夏科学)
くがかつ、なつかがく!!
お読みくださった方、ありがとうございます。
お疲れ様でございました。
明日も、「続・のほほん」を投稿します。
「のほほん」第一部、終了しています。
よかったら、読んでみてください。似たようなモノですが。
「魔人ビキラ」第一部、終了しています。
よかったら、読んでみてください。似たようなモノですが。
いや、外伝より全体に長いです。
回文オチは、同じですが。
ほなまた、明日。のほほん、で。




