「解放の日」の巻
兵隊たちは、敵の新型爆弾によってオナラを封じられた。
野戦病院で、腹が張って苦しむ兵隊たち。
「ゲップだけでは足りん。やはり尻からもガスを出さねば」
軍医は焦った。
「これは、現代医学にこだわっている場合ではない!」
かくて呼び寄せられた天下無双と噂の呪術師ハウラック。
「ふん。こんなオナラ封じなど!」
呪術師は、兵士たちを呪い、オナラ封じを取り去った。
「ああっ、オナラが出る!」
感激する兵士たち。
あっちでも、ぶっぷぷくぷ!
こっちでも、ぷりぷりぷり!
幸せの黄色いオナラと言うべきか。
あちこちで炸裂するオナラの音。
「ありがとう、呪術師ハウラックさん」
と言ったのも束の間、軍医は驚いた。
「ややや?! あなたのお腹、そんなに膨らんでいたっけ?」
「実を言うと、オナラ封じをすべて引き受けたのだ」
お腹を撫でながら言うハウラック。
「ワシの尻からオナラが出る事は、生涯二度とないであろう」
「な、何という事を、ハウラックさん!」
ハウラックは、それから秘密基地に運ばれた。
カエルの王様もかくや、と言うほど腹を膨らませ、今もまだ膨張中なのだ。
「大丈夫ですか、ハウラックさん」
「今日も食事を運んでくれてありがとう、兵隊さん」
もはや部屋いっぱいに腹を膨らませているハウラック。
「爆発の心配はないのですか、ハウラックさん」
「爆発しない呪いを掛けているからね」
「この戦争、必ず勝って、解除の方法を敵から聞き出してみせます!」
「頑張って下さい。オナラ封じをされた兵隊さんが出たら、また私の所に運んで下さい」
呪術師ハウラックは、部屋の壁を壊してなお膨らみ続けた。そして時々、秘密基地に兵士たちの勇ましいオナラの音が響くのだった。
終戦の日。
秘密基地に特大のオナラの炸裂音が発生した。
それはハウラックの、解放された証であった。
(兵員良い屁)
へいいん、いいへ!!
お読みくださった方、ありがとうございます。
明日も「続・のほほん」を投稿します。
ほなまた、明日!




