「河口にて」の巻
「なっ、何ということだっ。わたしは白鳥ではなかったのかっ!?」
日の出前、一羽の鳥が苦悩していた。
「醜いアヒルの子の話は、わたしの事だと思い、今朝まで色彩の差別に耐えていたのにっ!」
「分かったでしょう。ダミ声が足りないのよ、あなた!」
「深く潜りすぎるのよね、あなた」
「羽にアブラが足りなくて、パタパタ日なたぼっこするってなんなの?」
「さあ、アヒルでも、ガチョウでも、カモでもないことが分かったでしょう!?」
「もう、あたしたちに絡まないでちょうだい!」
アヒルとガチョウとカモたちにそう言われ、黒い鳥は観念して、同じ黒鳥の居る海岸の突堤に飛んで行った。
そして仲間の海鵜と一緒に幸せに暮らしました。
川鵜は、彼しかいなかったけれど。
(苦悩の叫び今朝の鵜の苦)
くのうのさけび。けさの、うのく!!
お読みくださった方、ありがとうございます。
明日、水曜日には「魔人ビキラ」本編を、
昼の12時前後に投稿する予定です。
同サイトにて、以下の作品が完結しています。
「風骨仙人の旅路」全4話。
「異物狩り」全4話。
回文ショートショート童話「のほほん」全111話。
よかったら、覗いてみて下さい。
ほなまた、明日「魔人ビキラ」で。