回文オチで、ポン！「続・のほほん」

ビキラ外伝「ビキラ、四足歩行する」の巻

魔人少女ビキラは、賞金稼ぎであった。

おたずね者を捕まえ、あるいは討伐して生活費を捻出(ねんしゅつ)するのだ。

おたずね者に恵(めぐ)まれない時は、なんという事もないアルバイトをして日々を凌(しの)ぐ。

今回のように。

「ああもう、軍事政権復活団の大幹部を何人も倒して来たあたしが、なんでこんなアルバイトを……」

しょげてつぶやくビキラだった。

「おたずね者が見つからなんだ。仕方なかろう」

と、相棒の古書ピミウォ。

「何事も村起こしのため。頑張るのじゃ、ビキラよ」

アルバイトとは、類人猿の新種と今話題の、ゴリラオータン・テナガチンパの着ぐるみを着て、夜な夜な、村の周囲を動き回る事であった。

噂ばかりで、捕らえられた事がないＵＭＡ。

「ゴリラオータン・テナガチンパの村」

　　　　と呼ばれる事。

　　　　　　　　それが村の狙いである。

「ウッホ、ウホウホ」

と言いながら、四足歩行で歩き回る魔人ビキラ。

そして出会う、畑荒らしのおたずね者、ミドニ。

「げっ？！」

ウワサの新種類人猿らしき物体を見つけて驚き、思わず二度見するミドニ。

「捕まえりゃ、野菜を盗むより金になるぜ！」

ビキラに挑(いど)み掛かるミドニ。

そして、金剛力ビキラに瞬殺されるミドニ。

「くっそーー。おたずね者を捕まえたのに、手柄はゴリラ(中略)チンパなのよね？」

「その方が、村起こしに役立つであろうよ、ビキラ」

「ああもう、あたしは何をやってんだろう」

ミドニを下敷きにして、ビキラは珍しくナヨナヨと崩れ落ちるのだった。

(夜な夜な類人猿演じ居るなよなよ)

よなよな、るいじんえん、えんじいる。なよなよ！

(二度見のミドニ)

にどみの、みどに！！

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お読みくださった方、ありがとうございます。

明日もたぶん、「ビキラ外伝」。　

同時連載中の、

「召しませ！『蛮行の雨』転生したら場違(オー)い工芸品(パーツ)にされたって本当ですか？！」

と言う、異世界ほぼほのぼのたまに残酷時にはエッチファンタジーも、よろしく。