「ウンテイの伝説」の巻
それは長い長いウンテイであった。
雲梯。
そう、公園遊具のウンテイである。
金属製の、ハシゴ状の棒が、ずーーーっと繋がり、続いている。
ウンテイが広い公園を、真っ二つに横切っているのである。
「よかろう。これは私に対する挑戦状であろう」
と、かつてウンテイ小僧の異名を取ったアララギ氏は思った。
そのウンテイの鉄棒は、Eの形をしていた。
左右はもちろん、鉄棒が支えている。
Eの一番下の横棒を、つかんで進むのである。
ハシゴ状の上に、余分なFがあるのである。
アララギ氏は、一本目のEの下をつかみ、二本目に向かう。
と、一本目の横棒が取れた?
「わっ!」
アララギ氏は驚き慌てたが、体が落ちるより早く二本目の鉄棒をつかんでいた。
ホッとするのも束の間、二本目の鉄棒も取れる。
しかし俊敏なアララギ氏は、早くも三本目の鉄棒をつかんでいた。
次々と取れてゆくEの一番下の横棒。
取れたと思ったら次をつかみ、つかんだと思ったら取れるが、すぐに先の鉄棒をつかんでいるアララギ氏。
そうやって、ずーーーーーっとウンテイを破壊しつつも落下せずに進んでゆく、かつてのウンテイ小僧アララギ氏。
見よ!
ウンテイの、
EEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEが、
芸術的に、
FFFFFFFFFFFFFFFFFFFFFFFFに、
変化してゆくではないか。
某公園の遊べないウンテイには、そんな伝説があった。
(増えるF)
ふえるえふ!!
お読みくださった方、ありがとうございます。
明日も「続・のほほん」を投稿します。
同時連載中の、「召しませ!(中略)ですか?!」
も投稿します。
「奪還! クカタバーウ砦」前編、土曜日。後編、日曜日。
楽しみな人も、楽しみでない人も、期待はほどほどに待て!




