「進化する話」の巻
石炭が火力として利用されなくなり、煤が世の中から激減していた。
ススを撒き散らして我が物顔で走っていた蒸気機関車などは、上質な石炭を使い、煙、つまり粉塵が出にくくした。
煙突に上質なフィルターを装備し、さらに粉塵が出にくくなっていた。
「煙が出ないのは寂しい!」
と言うマニアには、水蒸気を噴いて煙と見せた。
「くそう。今に見ておれ人間め。我らを排除しおって!」
国際スス連合は、当然、怒っていた。
「目先で我らの存在を誤魔化しおって!」
「カビに替わって人間の肺にはびこってやる!」
「ミトコンドリアに替わって、人間の細胞に紛れ込んでやる!」
「PM2.5よりも小さくなって、不織布マスクを掻い潜り、鼻の穴も口の周りも真っ黒にしてやる!」
ススたちは燃え上がった。
いや、燃え上がった後のカスがススなのだった。
煙草の煙も粉塵である。
「一度吐き出されると、地上に落ちるまで半年は空気中に漂っているそうである(粉じん作業特別教育受講者・談)」
「進め! ススだけに!」
国際スス連合は燃え上がった後、舞い上がっていた。
(進んでいる遺伝煤)
すすんでいるいでん、すす!!
なんか、風刺気味な内容になったような気がしないでもないですが、他意はありません。
成り行きです。成り行きは仕方ないじゃ有馬さん。
明日も「続・のほほん」を投稿する予定です。
同サイトにて長編なタイトル、
「召しませ!『蛮行の雨』転生したら場違い工芸品にされたって本当ですか?!」連載中。
よかったら、読んでみて下さい。
よろしくお願いします!




