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「─────って事で、ああ、もう話はいってるぽいね。」





それから二言三言話した後に電話を切り「ふぅ、」とため息を漏らす。


流石というか、全て鬼ノ城さんの思い通りに動いていると言うか。



逆にストレスフリーに物事が進んでいる事に驚きでは無く何故か納得している自分がいる。




渡されたファイルをもう一度確認を兼ねて開く。




■◆数時間前◆■



「なになにー?それ」





ファイルを背後から覗こうとする小さな影を無視できずにファイルを渡す。






「いやいや、コレ、鬼ノ城さん…………」


「いやー!助かったヨ!まさか春八くんがまさか彼の今をときめくアイドルと知り合いだったなんてー!」





そう、ファイルの中身、今回の案件という内容はとある人物の身辺警護。


数週間前から脅迫メールや脅しの手紙、身辺の嫌がらせなど、内容は警察に任せれば良いようなモノだが─────






「現場にこんな爪痕なんて残されちゃ【READ】(こっち)が動かなきゃならん案件に早変わり!」






そう、嫌がらせを受けている人物の周辺、どう見ても人間の力の範疇では不可解な傷痕が残っているのだ。


写真にはエグれた幅の広い二線の痕。

ナニか大きく重い身体があったような亀裂を帯びた足跡。





「ちなみになんのモノか思い当たる節はありますか?」


「うーん、私も全知全能じゃないから分かり兼ねるけど………おそらく概念系ではなくて動物系……象……とか?」


「うわぁ、まあ確かに重量そうですもんね」





兎に角と明後日依頼主と顔を合わせるようで、心持ちの準備をと指示された。




■◆


「はぁ、、、、、」




再び大きなため息を(こぼ)しスマホを操作する。


チケットアプリを開き、彼女から譲渡された欄を確認後、騒がしい扉を開ける。





「あ、おかえり〜誰との電話?」





ニネがソファでダラケた姿のまま口を開く。

おそらく学校の課題を諦めた姿だろう、その姿はどこか正々堂々尊大で誇らしげに思える。





「あー、とりあえずお前ら今から俺が送るリンク先でアカウント作ってもっかい送ってくれ」





グループメールにリンクを送信した後に各々返ってくるのを待つ。





「あ、これなら私前作ったからそれ送る〜」





ニネの言葉に「だろうな」と内心応える。

ニネ、鱗樹、黎斗、モネからそれぞれアカウントのIDを受け取り、そこにチケットを配布しそそくさと足早に玄関に向かう。


他のメンバーの反応は予想通りになるとは思うがあの(・・)ニネがどうなるか未知数のため一旦の退避を選択。



玄関までもう数メートルも無く、後は靴を整えドアノブに触れるだけ。



そう、触れるだけだった、ハズなのに。




後悔する。

コイツら、特にニネの前でコレを受け渡ししてはならなかったと。



背後に迫る気迫。

思わず反射的に地面に触れそうになるがそこは理性で抑える。

しかしその代わりしゃがんだ体勢のまま靴を整え低姿勢のままドアノブに触れ─────





本能が、【迦楼羅】の察知能力をしても彼女の速度は感知できなかったようだ。



肩に突然重石が乗るような感覚─────





■◆■◆顔合わせ当日◆■◆■



大人しくするという条件の元、ニネを同席させ控え室で待つ。




いや、それは分かるんだがその他メンバーもかよ……



有名人見たさに背後にはもちろんのニネ、ニネが着いて行くならという理由で来た以下三名。



外から声がしたかと思えばドアノブが回る。





扉から現れた姿はどこかに出た後なのかバッチリとしたメイクにストリート系の少しヤンチャな服を着こなす女性。



こちらを見るやいなや明るい笑顔を向け





「よお!春八!」


「よぉ、可鈴(かすず)




芸名、霜月 ヒヨナ

本名、遠野 可鈴

事務所、【スターレイニー】

所属ユニット、【FAIRY☆STORYs】



今回の護衛対象であり、俺の数少ない親友の一人である。





■◆



「お、君が春八の会社の社長の娘ちゃんだよね?」




Q,突然推しに認知され尚且(なおか)つ話しかけられた人間はどうなるか?





「え、あ、えっ、あっあっあっ」





A,キョドる



いかに戦地をくぐってきたとはいえやはり慣れの無い戦場では子うさぎに等しかった様だ。





「かぁ〜わいいねぇ〜ニネちゃん!こんな妹欲しかった…………」





キョドり土偶のようになったソレをおーよしよしと頭を撫でる。





「それに君が鱗樹くんで、君がモネちゃんかな?」





目でそれぞれを見て名前を確認し、





「それと君は前会ったことあるよね?黎斗くん」





突然のカミングアウトに黎斗もキョドる。

やはり天性の美貌とコミュ力に誰一人着いていけてないようだ。





「え、えっと何処かでお会いしたこと……ありましたっけ?」


「あー、そうそうあの時は顔隠してたし分からんのも分かる」




可鈴は近場の帽子とサングラス、マスクで当時の再現をする。





「これでどう?思い出した?」





こんないかにもな見た目の怪しい人。

見た事がないと言えば何故か嘘になる。


黎斗は記憶を蜘蛛の糸を辿るように掘り返し。





「あ!書店に居たじゃんけんの人!」


「うーん!私の最初の印象最悪!」





可鈴はパチンと指を鳴らし悔しがる演技をする。

まあそんな姿で突然本を巡ってじゃんけんしようとか言われたら印象もクソもない気がするが。




一通りそれぞれと会話を終え、後から来た鬼ノ城さん交え現状確認を始める。


どうやら写真の証拠の他にもある様で、

控え室に置いていた私物が無くなる。

帰り道誰かにつけられているような気配。

最近ではマネージャーが襲われ重体になっているとの事。


どうやらただの脅しからエスカレートしていた様だ。





「で、警察の方から専門家を───って話だったんだけどまさか春八が来るとはって感じ」


「お互い様だろ」





ニヤニヤとこちらを見てくる可鈴に手をヒラヒラとさせ応える。


そして今回依頼した決定打が





「この前、テレビの撮影の後控え室に戻ってくるとこれが」


「これはまたいかにもな脅迫文ですね」





鬼ノ城さんが受け取り手渡してきた。


内容は


『後日行われる霜月 ヒヨナ(遠野 可鈴)のバースデーライブを今すぐに辞めろ。もしこれを聞かず行った際は神の制裁をライブが終わるまでに受けると知れ、爪痕は前払いだ』



なんと短略的で分かりやすい文か。





「お前にも熱心なアンチが居るもんだな」


「そりゃアンチは前からスパムみたいに手紙送って来たけど今回は、ねぇ」





そりゃ普通のアンチが裏で起こった爪痕の話を知っているはず無く、これは爪痕を残した本人から来ているのだろう。





「私たちは当日通常の警備員に加えこちらの対処人員を送ります。春八くん達は各々箇所を割り振ってそれぞれで動いてもらう………それでいいんですね?」


「はい、お願いします」





大体の流れを確認した後鬼ノ城さんや他のメンバーを先に行かせ、確認したい事があると残る。


今回、もちろんニネも常に護衛対象であるから観客席でニネとモネ、黎斗を置き。

その他を俺と鱗樹の大人が動くという図。



それは確認した。





「なぁ、可鈴」





化粧台でメイクを整える彼女にとある疑問をぶつける。





「今回のこの件。首謀者に心当たりあるだろ」






■◆



【FAIRY☆STORYs】は全六人組のユニットで構成されており、挨拶と確認を兼ねてヒヨナ、もとい可鈴以外の他のメンバーに会いに行く。




赤担当、夏色 ハジメ

水色担当、花流(はながれ) サク

緑担当、木漏日 アヲイ

紫担当、夕暮 ヒトミ

オレンジ担当、秋山 モミジ



ちなみにヒヨナは黄色担当である。




それぞれメンバーはこの件を知っているようで、メンバー内でもやるべきか止めるべきか話し合いがあったらしい。


しかし今回俺らが付くという状況になったためやはりメンバーの祝い事をやり遂げたいという総意識の元実行すると舵を切った。






この時は誰も()がある事を知らずに。

この後12:20分頃に予約投稿があります。

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