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モネの一日《2》

これも一昨日分ですね!

言い訳:若干のスランプ

視界が赤いマントで覆われていく前に姉と弟に手を伸ば──────


フッと目の前から消えた。


コツコツと歩く度に虚空へ足音が響く。


「本当にここは」


屋内なのか屋外なのか……………


遥遠くにあるはずなのにそれを感じさせないほど巨大なアンティーク調のアナログ時計がカチコチと耳障りな音を放っていた。


黒い空、果てなく広がる遊園地(・・・)


あの後気づけば辺りには誰もおらず何故かメリーゴーランドの木馬上で目が覚めた。


まあ十中八九間違いなく【本】絡みなのはわかるんだけど…………


「出口、どこ…………?」


いや出口も大事だけど姉と弟も探さなくては。


だいたいこういうタイプは本体を見つけて叩けば元の世界に戻れるというテンプレート設定なはずなのだが………。


(いや本体も何処にいるのか分からんのだが)


周りには大小の観覧車やジェットコースターのレールなど乱雑に乱立しておりこの世界が概念的に存在がしているのかしていないのか分からない。


「夢だったらどれだけ良いか…………」


ふと思い出しスマホを取り出す。


あれ?なんで仲間に連絡するという選択肢を忘れていたのだろう。


自分でも不思議に思いながらスマホの画面を確認すると、幸い何故か圏外とはなっておらず


[助けて、敵に襲われてる]


と打ち込みグループメール送信する。


ウィンウィウィーンウィンウィウィーンと通知音が鳴る。


「ニネお前の通知音独特だな」


「何を言ってるんですかこれが一番馴染むんですよ!」


謎の自慢(?)を受けながらメールを開く。


次いでに言うと今俺らは例の天井事件の事をこの4人内で話題にしないという暗黙の了解が成立し、一瞬でも忘れる為に遅めの昼食がてら外のラーメン屋に来ていた。


送信されたメッセージはモネからで─────


[美味しそうだな]


と、来ていた。


あれ?


「あぁ、今度モネも連れて来るか」


「そういえば今日はモネちゃん休みでしたね〜」


「前々から「積みプラ消化のため」って言ってたしな」


「自由すぎるな」


まあニネのボディーガードは最低でも2人いれば大丈夫なはずだが……………


「よぉ、やっぱり─────」


スマホから目を離し伏せ─────そして仲間(バカ)の方を見やる


「黎斗お前見栄張って激辛なんて頼むんじゃねーって」


「見栄ッげほっじゃな────い」


むせたのかはたまた────顔を赤くして否定する少年を遠目に見ながら自分の豚骨ラーメンの麺が伸び始めている事に気が付き再び食を開始する。


この場に居ない優秀な仲間の危険なぞ知る由もなく──────。


しばらく歩いていると一つのテント?のような建物の前に着いた。


(ミラー………ハウス?)


銀色の看板に灰色の文字盤が光っていた。


入ってみようか入らない方が良いか………入口で右往左往していると────


パリィン


中で何かが割れる音がした。


一瞬ビクッとなったが中に人が居るかもしれないという心の声に従い中に入る決心をする。


「あのぉー」


中に入るなりすぐに後悔した。

全面鏡張りの性で今入ってきた入口を見失ったのだ。


そして壁にぶつかりながらも進んでいくと再びパリンと割れる音が。


(やっぱり誰か居るのか─────)


先の道を見つけ鏡の角を曲がると─────


「パリぃーん」


人が居た。


が、


「と、止まらないの…………パリぃーん」


長髪の女性が泣きながら口から鏡の破片を吐き出しており、それが地面に落ち割れていた音が何故か口から発せられていた。


口の中が切れているのかボトボトと血が出ておりそれが地面にまるで赤い絨毯のように広がっている。


「ひっ…………」


悲鳴が出ない。


「あ、あレ?なんだかヨくナッテ…………パリぃーん」


そのまま彼女は音もなくその場に倒れ込んみ、二度と起き上がることは無かった。


これは何だ?

一体ナニが起きている。


目の前の惨状に吐き気を催すが今朝から何も食べてないが故に胃の残留物は無く嗚咽だけが響く。


とにかくココを出なければ─────


『おお、次はここでしたか』


向かい側の角から怪物が出てきた。


銀色のベネチアンマスクに黒いタキシードの様な身体、黒いシルクハットを深々と被るその姿はまるで


「マジシャン…………」


『おや?もう1人対象がいたので………?いやしかしエリアからは出られないはず………』


なんの事だ?


『まあいいでしょう、しかしどうでしたか?私の鏡マジックは』


マジシャンは女性の死体を持ち上げ鏡の壁に押し込む(・・・・)


『今回は失敗だったようなので自慢の消失マジックで────ワン♪ツー♪スリィ♪』


死体が鏡に吸い込まれるようにして消えていった。


『さてさて………お次は貴女にマジックの手伝いをしてもらいましょうか…………マジックの成功をね』


逃げ出したい、逃げ出したいはずなのに足に力が入らない。


ぺたんとその場に腰が落ちてしまう。


「あっ………」


『逃げなくても怖くありませんよ?先程のあれは失敗でして………成功例は痛くありませんので』


(誰か………誰か助けて─────)


すると手を着いた地面がヒビ割れ蒼い光が広がってゆく


『な、なんとッ!』


「あ──────」


何故忘れていたのだろう────しかし今は


「あ、アクセス!」【アクセス:蝦蛄】!!!!


主人を守らんとする攻撃手(アタッカー)が目を開いた。

ニネ「Hey!もうちょいペース上げようか!」

黎斗「監督………」

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