逃亡と阻止?
ヤバい、プロットと違うからどうしようと困惑してる
耳元で銃声が鳴り響く、高笑いと静かな断末魔
足元では浅い息をしている『──』の姿
心が踊るような高揚感に多分頬は紅潮しているだろう。
そのまま、笑い声とも悲鳴とも取れる響の中で───
はっと目を覚ます、
ここは?ドコだ?
白い天井に、蛍光灯が灯っている、後ついでに言えばベットの上だ。
右を見れば点滴があり、左を見れば何やらコンピュータの様なものが
ピーーーと音を上げていた
「あーーー、思い出せねぇえ」
自分の右手を顔に乗せる
えーーっと?確か……
やっべなんだっけ、全然思い出せん───
「鏡?」
??
何故か勝手に口が動いた
鏡?何故に?
と言うかいつまでも寝っ転がっている訳にも行かないのでとりま体を起こす
体に痛みは無い
するとここはやはり病室のようだ、右斜め前に出入口の様なスライド式の扉があるが窓等はこの部屋には無い
動こうとすると右腕が引っ張られる感覚を覚えた
あっ、そーいえば
と、思いつつ、右腕を見ると───
やはり点滴が刺さっている
「邪魔だな」
そう言いブチっと針を抜く
「さてと、とりま何も情報ねぇし出てみるか」
服は自分のではなく、白い病人の服で、履くものが無いため、裸足でヒンヤリとした地面に足を着く
「だいたいこういうシチュエーションって、悪の組織の人体実験とかかぁ……?」
だとしたら早くここを出たいが、この病室?みたいなの抜けたら追っ手とか来るパターンか?
そう思いながら一応いつでも戦える様な体勢で病室の扉を開く
が、
思っていたモノとは違い、白い廊下が左右に広がっているだけだった
「逆に怪しいが……」
とりあえず人を探してみよ、うん、普通に寂しいし
そう思い、右の方へ進んでいく
すると───
前方に先程の病室と同じ様な扉を見つける
中から話し声が聞こえるが、何も聞き取れない。
『ーーー〜ー』
『ーーーー!〜ー』
何やら2つの声とも女性の様だ、
とりあえず人がいるなら安心───
と、扉の鉄のノブへと手を伸ばした時────
何故か鉄で反射した自分がナニかベツのようなモノに見えた
ドクン!っと心臓が大きく跳ねる
「ハァハァハァハァ!」
呼吸が荒くなる、そして───
全て思い出す
「ハァッ!ガハァッ!」
口から吐けない何かを出そうと嘔吐く
なんだっコレッ!
目の前の自分の腕が金色の腕とダブル
俺は!
「じゃあお大事にね!」
急に目の前の扉が開き、看護師の様な女の人が出てくる
そして、目の前でうずくまる俺を見て驚いた表情をした
「えっ、ちょっ!貴方!大丈夫なの!?」
助け起こそうと看護師が腕を掴もうとした時───
BeーーBeーーーー!
とサイレンが鳴り響く
『緊急事態発生!緊急事態発生!B7フロアにて、剥離作業中の被験者【No.6】が脱走!剥離中がゆえ【情報値】が不安定、コレにより特殊班Aのうち、現場に近い者は直ちに急行せよ!
繰り返す──』
ナニかヤバい事が起きてるそうだ、だが、立てな──
「ヒャッハー!」
ドゴォォォン!
という音と共にハエ男が下から出てくる。
「えーーっとぉ?ターゲットはぁ、ここら辺って───」
ヤバい、また目が合った
「ヨォォブラザァァー!生きてたかぁぁぁ、会いたかったゼェェエ!」
「お前には会いたくなかったよ!」
すぐさま俺を抱き抱えようとした看護師を病室に向かって押す
「え!」
「少し入っててくれ!」
看護師は突然の事で、押したらヨロヨロとした後に後に倒れるのを確認し
扉を素早く閉じる
「誰だぁ?今の女は」
「知らねーよ!」
そう言い、立ち上がりながらハエ男に向かって蹴りを入れる
「ぬぉ!」
「早く倒れろよ!」
蹴りは命中し、少しよろけたがすぐに体勢を戻してきた
「そんな蹴りじゃ効かねぇぜ!」
嘘だぁ!よろけたじゃん!
「しーーーねっ!」
今度はハエ男が回し蹴りをしてくる
それをモロに食らった俺は後方へ吹き飛ぶ
「そしてぇ!コレだ!」
ハエ男が両腕を前に構えた
アレって───
考える間もなく横へ飛ぶ、すると案の定ハエ砲だ
横を凄いスピードで黒い塊が通過していく
チリチリッ!
っと腕をかすった
「いてーな!」
だがかすっただけで良かった、アレはモロに食らうと──
すると腕が焼けるように痛み出した
「ウッ」
慌てて腕を抑える
「ハハァン!どーだ俺の新しいワザは!」
「新しい技……だと……?」
腕を抑えながら聞く
「この新しいハエ砲は、当たった物を溶かすのヨォ!」
「は?」
恐る恐る自分の腕を見ると───
グジュッグジュッ
っと肉が溶けていた、
「フッ!」
思わず声が出る
人間は怪我を認識したら痛みが襲ってくるというもの、すぐに腕が焼けるように痛み出した
ヤバい、このままだったら───
パリィンと何かが割れる音が耳元でした
「あ?なんだ?急に動かなくなってよォ」
まあ相手が減ればいいものだ
目当ての物は───
コイツだ!
そう心の中で言い、病室の扉を開ける
そこには怯える2人の女──
もといいベットに乗っている少女と看護師がいた
「アイツの目当ては少女っと、」
なんで少女なんかが要るんだ?
と思いいつつも少女に向かって歩き出す
「おい女ぁ!怪我したくなかったらそのチビから離れろぉ!じゃねぇとこのハエ砲撃つぞゴラァ!」
そう腕を前にしてチビに近づく
チビは怯えた表情をしてこちらを見あげる
いやーいいなぁ!やっぱり人の上に立つってのはヨォ!
「な……何をするの……?」
震え声で聞いてくる
「なぁに何も抵抗しなきゃァ痛い目はしねぇよ」
そう言い少女を担ごうとした時───
「ガッ!」
腹に激痛が走る
どういう事だ!
腹を見ると───
金色の腕が自分の腹を貫通していた
なんだかんだ無理やりプロットに繋げないとな