Episode 2 門兵 左 Lv. 683 右 Lv. 75
眷属は邪神のおかげで肉体と装備品が若返っています。
学ランと草原の組み合わせ!
ピコーン!
青空を走りたかったんだー! 俺は!
ふぅー、良い汗かいたぜ! 青春いいな。
街みっけ! 並んで、順番を待つぜ!
おっと、アピールも忘れない。
不審者のエンドレス反復横飛び。
さぁ、どうする? どうする?
取り押さえられた! 何をする!
学ランは服屋で金と交換した。右が付いて来てくれた。
ちょろまかされた! ニヤニヤしやがって、苛つくな。
「通行人の皆さ~ん! 僕はこの店で服を売ったら、この服を!オマケして貰えました。凄くいい方がやっておられま~す!」
ささやな復讐である。
右はこれから豪遊らしい。仕事はどうした!
食あたり! 食あたり!
ギルドに来たよ~ん!
A. ラッキースケベを起こしたい! 受付嬢に飛び込んだ!
B. 初めて会った受付嬢に愛の告白をした。
C. 受付嬢をディスった。お前は死ぬぅー。
D. 強者のかほり。すかさず決闘を申し込んだ。
E. 何よりも金だ! 嬢ちゃんに金をたかった。
F. 裸チャンス! 全裸をギルドに知らしめる時!
C!
俺は異世界に来たら、やってみたい事があった。
「やーい、ブサイ…」
後から聞いた話だが、俺は結構な距離を飛んだらしい。
右ビンタ恐るべし!
「レベル差を考えろ! マヌケがぁー! ちょっとしたジョークだろうが!!」
ここはギルドの救護室だ。嬢ちゃんに聞こえるように大声で叫んでおいた。
ほっぺっぺに重症を負った俺は気を取りなして、見舞いに来ない受付嬢に再度チャレンジしに行くことにした。
心が折れてなきゃ、何でも立ち上がるのさ!
態度の悪い受付嬢からギルドの説明を受けた。
ついでに、ギルドへの登録もした。
見て、『異世界言語』貰ったから、すらすら書けちゃうの♪
「…以上です。もう聞きたいことはありませんよね。あちらの方が出口になっておりますので、とっととお帰りくださいませ」
邪険にしやがって。
だがし、邪神の眷属たる俺は何者にも従う必要はない。
一枚の発注書を見る。見る。見る。
上から。下から。横から。斜め右から。
勿論、斜め左も忘れない。
「…!? この不定形はスライムじゃあないですか!」
剥がして、例の受付嬢へ持ってく。
「これをよろしくぅー!」
受付嬢は4人いるが、当然狙い打ちだ。
臆せば、負けを認めるのと同じ!
「これは私の許可はいりません! それと、常時依頼だから、今度から剥がして来ないでくださいね。これで止めて、元に戻してきて!」
ピンを貰って、元に戻すまでが俺のお仕事だ。
側転移動をしながら、ギルドを後にした。
やりたくなったからやった。
俺は後悔しない生き方を選んでいる。
「ババアー、ほっぺっぺにつける薬草くれや!」
間違えて、若い子に禁句を言った俺は左ビンタをくらった。
お前、左利きだな!
無傷のほっぺっぺに傷をつけるとはたいしたもんだ。
ポーションは1ガネたりとも負けてもらえなかった。
このけちんぼーめ!
To Be Continued…
所持スキル(取得順):『選択肢』『異世界言語』『邪神様の加護』
(スキルは通常Lv.10まであり、レベルの記載の無いものはEXです)
寿命(前世29年+/??)
*主人公が知らないこと(残り寿命)はこちらも知りません。
門番、最強! 門番、最強! 左は添えるだけ。
異世界だからね、稀に化物はいるよ。
お読みくださりありがとうございました。