3/10
ディオース大陸の予言
女神の祝福を授けられた、千年以上の歴史を持つアーダルベルト帝国。
帝国の北、寒冷の地を王と騎士が治めるベネティクト神聖王国。
その東、新しい貴族達で治めるフリードリヒ諸侯同盟国。
かつて戦乱が巻き起こったこの大陸も、平穏が続いていた。
しかし、ある人物は言う。女神達が再臨する時、再び戦争が起こると。
女神達はそれを嘆きながら、ある一国に手を貸すと。
――血塗られた歴史は、繰り返されてしまうのだと。
少女は嘆く。正義を説いた騎士達の女神と共に。
女性は血を流す。愛を分け与える女神と共に。
少女はかつて「不可能の花」と呼ばれた。
女性はかつて「悪魔の使者」と呼ばれた。
少女は全てを失いながらも、奇跡を起こす。
女性は大切な者を失いながらも、希望の風を起こす。
少女は人々に祝福を与える。天をもしのぐ程の誠実さで。
女性は人々によいメッセージを与える。その多大な愛で。
そうして、少女と女性の夢は叶う。
その傷ついた心をひた隠して……。