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「んーーー!?君は剣術大会で入賞した子ですね〜?」
私を知らなかった?なのにこの部屋に入って来たのは何で?何が目的なの?
「理事長はどうして騎士様に毒を?」
「あー!?この人が私をつけて来て・・・・・・君には関係のない話しでしたね。」
アレクセイ様がつけてた?理事長を?
じゃあ理事長が怪しいのね!
もしかしたらデュークが連れて行かれたのって、理事長の様子がおかしいから?
だったら麻薬?
でも・・・・・症状がわからない。
とにかく今はルーカス様を待つしかないの?
アレクセイ様の血が止まってないのに?
ブラッドはアレクセイ様の止血のために自分の腕のシャツを破いて腕を縛っている。
でも血が止まらない!!!!
「オリヴィア!ダメだ!早くアレクセイ様を医務室に連れて行かなくては!」
アレクセイ様は
「気にするな・・・・・毒は抜けた!今はエドガー殿下・・・・・を待て・・・・・」
私はもう一度名前を呼ぶ!
「ルーカス様!ルーカス様ーーーーー!」
「ん?先程この部屋から出て来た男ですか?」
「え?」
「その男なら先程私が毒の注射を打ったので、この先で、命を落としてるんじゃないかなー?」
理事長はニタニタと笑った。
私は、怒りで頭がおかしくなりそうだった!
「嘘よ!」
私はブラッドを見た!
ブラッドは私が言いたいのがわかったのか
「嫌だ!僕がここにいる!」
でも扉の近くにブラッドとアレクセイ様。
理事長より奥に私がいる。
「私は行けないわ!」
「それでもダメだ!」
ブラッドは泣きそうだ。
「ルーカス様を死なせたくない!」
その言葉にブラッドは下を向く。
「ブラッド!早くっ!」
ブラッドは何も言わずにアレクセイ様を引きずって部屋から出した!
もうアレクセイ様の意識はないように見える。
ブラッドの足音は小さくなって行く!
ブラッド!間に合って!
私がアレクセイ様を守りながらでは剣が使えないと思って部屋からアレクセイ様を出してくれた。
ありがとう!ブラッド!
「でもどうして、2人も腕の立つ騎士様や護衛の方に毒を打てたの?」
「あー!そんなの簡単ですよ!」
理事長は私に近づいて来た!
間合いに入られたらまずい!
私は後ろに下がる。
すると突然、理事長の様子が変わった!雰囲気というかオーラ?とにかく別人に変わった
「・・・・助けて・・・・・」
理事長の目から涙が・・・・・・・
「え?誰?」
「助け・・・・・て・・・操られ・・・・・」
あきらかにそこにいるのは先程の理事長とは別人。
二重人格?薬のせいで?
私が固まっていると!
理事長の目から涙が出たまま理事長の腕が私に近づく、まるで助けを求めているように!
ドンっ!!!!
扉が開いた!
と同時に短剣が私と理事長の間を通り抜けて行った!
ハッと我に返ると目の前の理事長の手には注射器が今にも私を刺そうとしていた!
私は慌てて持っていた剣で理事長が持っていた注射器をカキーンと弾いた!
「お待たせしてスミマセン!」
そこにはルーカス様が青白い顔で立っていた!
横にはブラッドも!
間に合ったのね!
私はホッとした!
ルーカス様が
「その者の涙は演技です!」
でもオーラが違う!まるで別人に見えるのに?
「あ~ぁ!せっかく後少しでしたが。残念です!そしてあなたも助かったのですか?間違いなく毒は打ちましたが?」
「元々私は毒耐性があるように訓練していますが、それでも毒の量によっては、このように手こずります!」
「んーーー王族にも効かないのかも?」
理事長は何か考えていた
「演技なの?」
「へ?」
理事長はニタニタ笑って
「これはこれは幸せな方だ!・・・・・どんな悪党でも人間味を出すと誰しもが同情するのですよ?あなたは弱い人間なのですよ!」
「どうして理事長が急にこんな事を?」
「さあ何ででしょうね!そろそろお話しはお終いですね!これ以上ここにいても私が会いたい人はここにはいないようなので!」
理事長は地面に落ちている先程の短剣を手に持ち、私に投げつけて来た!
私はとっさにしゃがんでよけた!
理事長は部屋の窓まで行き、ガラスを割って窓から逃げて行こうとした!
ダメだ!今逃したら意味がない!
私は理事長の後を追う!
遠くから「行くなーっ!」
ブラッドの声がした!




