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村の前にさっき黒髪の男達を追って行った騎士達がいた!
「エドガー殿下!アーサー殿!」
「ここに入って行ったのか?」
「はいつい先ほど!ここまで追われているのに気づかれていて遠回りをしたようです!男達は二手に別れ1人が町に向かいました!そちらも追わせています」
「オリヴィアあの村か?」
私達が村に向かった時は夕日が落ち辺りは薄暗くなっていた・・・・
「うん!あの村の奥に1番大きい家があるのそこの勝手口から入ったところであの子を見たわ」
村人はほとんど出歩いておらず・・・・今みんなで村に入るのは逆に目だってしまう!
村といっても割りと広く入り口は正面以外にもある
「私とブラッドは別の入り口から入ったから他にもあるのかも知れない」
村の入り口は特に警備などされてはおらず治安がいいようにも思えるが
そういう場所は逆に悪さをする者達のアジトなどになる可能性が高い・・・・・
「今度伯爵と この村の村長と話す必要があるな・・・・こんなにも簡単に入れるのは問題だな・・・・」
アーサーとエドガー殿下から緊迫した空気を纏っているのが伝わる・・・・
そうか・・・・自分の領地で大きな事件とかなかったから安心してたけど・・・・そういう事もあるのね!
「じゃあ僕とオリヴィア嬢とルーカスは別の入り口から町に入るよ!アーサー殿とマルクス殿は正面から堂々と町に入るといいアーサー殿にみんなの目が行くだろうし それに早くその家にたどり着くだろ?それと君達はこのまま入り口を見張っていて」
さっきまで男達を追ってきた騎士達には見張りを頼んだ
「そうですね!エドガー殿下!オリヴィアをお願いします!」
「んーさっきから思ってたけど・・・・何でオリヴィア嬢を呼び捨てにしてるの?
僕もアーサーとオリヴィアって呼ぶね!」
「は・はい・・・・お好きなようにお呼びくださいませ」
エドガー殿下は嬉しそうに
「オリヴィア!オリヴィア!」何度も連呼していた・・・・
エドガー殿下ってとても純粋なのね!
何だか憎めないわ!私もクスクスと笑うと
エドガーが私の顔をのぞき込む
「オリヴィアって笑うともっと可愛いね!紫色の瞳がとても綺麗だ」
ストレート過ぎる言葉に慣れていないので私の顔は赤くなる!
「エドガー殿下あまり人前でそのような事を言うのは・・・・ちょっと まずいのでは?」
「そうかな?オリヴィアが嫌なら我慢するね!」
天使のような笑顔で微笑んだ!
天使?嫌違う小悪魔に見えるわ!
側近のルーカス様を見ると「殿下の思うままに・・・・」
ダメだわこの人エドガー殿下に甘すぎる!
私はアルバート様の婚約者候補であっても婚約者じゃないし極秘だから仕方ないよね・・・・
「さあ行こう!」
馬を町の外に隠して私達はそれぞれの入り口から町に入って行った!
村人は本当にに1人も外にいない・・・・前回来た時は見かけたからみんな家に帰っているんだろう!
この村は松明も街灯もなくて・・・・夜は本当に真っ暗になるんだろうな
それは凄く怖い!
せめて町の入り口は松明とかあればいいのに
目的の家が見えてきた
「殿下!あそこです!」
「ルーカス!」
「かしこまりました!」
ルーカス様はエドガー殿下が全て言わなくても何をするかわかるようだ
ルーカス様は一瞬にして家の周辺を確認する!
「問題ありません!!」
「オリヴィア!君の見た勝手口に行こう!アーサー達が見えないがすぐに到着するだろう」
「殿下こちらです!」私は二人を勝手口に案内した
勝手口の窓から中をのぞいて見た!
・・・・
声はしないが物音がする!
そっと勝手口のノブに手をかけたら・・・・開いた!
殿下は私が先に入ろうとすると
無言で首を横に振った!
ルーカス様が前に来て先に侵入した!
私達も続いて入った・・・・
そこは台所のようだが食材とかはなく薬草を乾燥したものや何かを栽培しているプランターのような物があった!
「誰?・・・・・」
真っ暗な部屋の隅に何かが動いた
もしかしたら・・・・・
「ねえあなた昨日の男の子?私昨日もここに来たの!」
「え?また来たの?」
やっぱりあの子だ!暗くて見えない
近くに近づいていく・・・・・
窓からの薄明かりが差し込んだ先に見えた
・・・・っ!
「嘘・・・・痛くないの?」
その子は顔が両瞼とも腫れ上がり口の中の歯は何本か折れてかけている
顔中が血だらけで
体はぐったりしている・・・・もしかしたらどこか骨折しているのかも?
あー私は耐えられず目を背けてしまった・・・・エドガー殿下がそれに気づき私を後ろから抱きしめ片手で私の視界を遮る・・・・
男の子の左足は絶対に向けない方向に曲がっていた
エドガー殿下が「君の名前は?」
「・・・・デューク」
「デューク!君を助けたい!ここから逃げるが他にここに誰かいるのか?」
「逃げれない!お母さんが殺される」
「お母さんとは町の薬剤店で働いている者か?」
デュークは瞼が腫れてこちらをあまりみれないが驚いて顔をこちらに向けた!
「うんうん!母さんは一日中店にいる店から出れない!」「なら良かった今僕たちの連れが君の母親を保護に行ってる!」
「父親はいるのか?」
・・・・
「いるけどいない・・・・」
「もし母親が保護できるなら君はここから出てもかまわないのか?」
「でも行くところがない・・・・誰も僕達を助けてくれない・・・・」
その言葉に視界を遮っていたエドガー殿下の手を外して
「私が助けるわ!仕事も斡旋する!ここは良くない!ここから出ましょう!」
「本当に?助けてくれるの?・・・・・でも僕は犯罪者なんだ・・・・・」
そういえば昨日もそんな事言われてた
「何をしたの?」
「僕は・・・・・麻薬を作ったんだ・・・・・」
ま・麻薬?
この世界にも麻薬ってあるの?だから中毒って・・・・・
「そう・・・・デュークが罪をおかしたなら罪を償わなければならないわ!それは私が罪をおかしても一緒よ罪を償うわ!」
「うん・・・・」
「でもちゃんと罪を償えば日の当たる場所で生きていけるわ!あなたのお母様と一緒に」
「母さんと暮らせる?」
「ええ!だからここを出ましょう!」
私はそっとデュークの手を握った・・・・・
「痛くない?」
「痛いがもうわからない・・・・・」
私は涙が止まらない 多分7.8才ぐらいこんな子供が
痛みがわからなくなるくらい殴られ蹴られ精神的にも痛めつけるなんて!!
あの男許さない!
「この家は今あなただけ?昨日の人は?」
「さっき夕方帰って来た後に僕を気がすむまで殴ったら誰かさっき来てみんなでどっか行った・・・・・」
アーサーが先に来たんだわ!
「まずはここを出ましょう!」
ルーカス様がデュークを優しく抱き抱える
私はエドガー殿下と手をつないだまま・・・・・
家から出た




