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夜会までゆっくり休んだら 少しは頭がスッキリしてきた。

夜会まで少し時間があったので今日使う宝飾品を選ぶ事にしたが私の身支度を手伝ってくれる母様もキャロルも部屋には来ない。



1人で選ぶのか・・・・。



ティナが私の前に宝飾品を並べてくれた。

「お嬢様、今日は社交界デビューですのでいろいろ試着しましょうね。」

ティナ・・・・ ティナだけが私のそばにいてくれるの? 私は目頭が熱くなる 今までの私なら1人で選んで欲しい物は父様におねだりすれば気がすんだけど・・・・前世の記憶がある。


今はもう無理だ・・・・私は人の優しい温もりを知っているからもう1人でいいなんて思えない。

「ティナありがとう・・・・。」 ティナはびっくりした顔を見せたが少しはにかんで 「お嬢様少し変わられましたね今のお嬢様も凄くかわいいです。でも今日はもっと可愛くいたしましょうね。」と笑顔で言ってくれた。


この13年間誰かにお礼何ていったことなかったな。 母様やキャロルに避けられても仕方ないのね。 昔の私何やってんの。


ティナがそばに残ってくれて本当に良かった。 ティナありがとう・・・・




父様と夜会へ向かう為に馬車に乗ったお見送りは、ブラッドだけだった。

「オリヴィア凄く綺麗です。素敵なデビュタントとなりますように。」

「行ってくるブラッド 家を頼む。」 父からの言葉にブラッドは軽く会釈する。

ブラッドはこんな私にも優しい。 何ていい子なの!もう絶対いじめない。明日から本当に可愛がるから、本当にごめん。 ブラッドにも幸せになってもらいたい。




ブラッドも攻略対象者だ・・・・。





ゲームではこの後ブラッドは・・・・ 私が考え込んでいると父様が

「オリヴィア本当に大丈夫なのか?今日行くの止めるか?」父様は本当に心配している。

しかし 「でも今日は王宮の夜会でしょ?欠席は失礼になるんじゃなくて?父様の立場も悪くなります。」 父様は少し苦笑いをする。 娘が心配だが、さすがに今日の夜会は特別だから欠席もまずい。 父様は板挟みなのだ。

「私は本当に大丈夫なの、朝はごめんなさい緊張してただけだし昼間休んだらスッキリしたのよ。」 そう言って微笑んだ。 父様も少し安心したようだ。

しかし今日の夜会は本当に特別なんだよね・・・・。


この国の第一王子様アルバート様の婚約者探しなのだから・・・・。





「オリヴィア大丈夫かな」


先ほど馬車で王宮に向かった二人を見送ったまま馬車が走っていった先を見つめブラッドは呟く。


屋敷の中から「ブラッドー♪」可愛い笑顔で僕に駆け寄ってくるキャロル。 僕の腕にしがみついて甘えてくる姿は可愛いが、

僕はいずれこの家を継ぐ。 オリヴィアか キャロルのどちらかと結婚が待っているのだろう。

確かにオリヴィアは僕に冷たく当たるが、それはこのキャロルと母様の態度にも問題があるんだと思う。 僕はこの家に来てからみんなに優しく迎えてもらえた。 しかしこの家の異変にすぐに気づいた。


母様は、オリヴィアを見ようとしないし話さない。 愛情全てをキャロルに注いでいる。 キャロルは、母様の容姿や瞳の色全てを受け継いでいる。オリヴィアは、父様似だ。 母様はかわいらしい感じだが父様もなかなかの美貌だ。


オリヴィアに初めて会った時 僕は衝撃を受けた。 オリヴィア10歳僕が8歳の時だった。



この家に来て最初の挨拶の時のオリヴィアは、花のように可愛らしく笑う姿は花そのものだった。 日に当たりキラキラ光るオレンジ色の髪は眩しく紫色の大きな瞳はビー玉のように綺麗で僕は目が離せなかった・・・・ 一目惚れだったと思う。


それからしばらくして、オリヴィアは笑わなくなった 僕にきつく当たるようになったが、つらく当たったあとはとても悲しそうな顔をしていた・・・・。


多分・・・・母様に愛して欲しいだけ。 僕が母様に優しくされているのがつらかったんだと思う。 僕がオリヴィアにたくさんの愛情を注いであげたい。

そしてまたあの笑顔が見たい。


しかし僕の横にはキャロルがいる・・・・。


オリヴィアが僕に近づく事もほとんどなくなった。






オリヴィア・・・・ 僕が君を笑顔にしてあげれたら・・・・どんなにいいだろうか。


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