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「お待ちくださいアーサー殿」
部屋を出たところで声をかけられた
まだ幼いが瞳の奥はしっかりとした意思を持ってる子供っぽくない鋭い瞳
「君はオリヴィアの弟なのかな?」
「はい3年程前に養子に入りましたブラッドと申します」
あー先日騎士団の大会の時にオリヴィアと一緒にいた少年か・・・・・
「今日は姉を助けてくださってありがとうございます」
少年はつらそうに・・・・そして両手の拳を固く握りしめたまま その怒りを押さえているように見えた
オレは少年の頭を撫でようとしたが少年はそれに気づきオレの手を払いのけた!
「すみません!僕は子供でまだ姉を守れません
でも子供のままでいたくはないのです!」
子供扱いしないでくれ!ということなのだろう
そうか・・・・この少年はオリヴィアを・・・・
「申し訳ない!子供扱いしたつもりはないのだが!オリヴィアを守りたいと強く思うならきっと君は強くなる!オレもオリヴィアを守りたくて強くなると決めたから!」
少年は驚いた顔をしている!
こんなに年下の相手でも真剣に答えなければいけないと思った!
恋敵になるのか?
こんな少年相手に?養子か・・・・・爵位を継ぐためなんだろう
確かにオリヴィアと結婚は出来るな
「もし君が本気ならばオレが剣を教えてやる!もちろんブランジュ伯爵は元騎士だから伯爵から教えてもらえるだろうが・・・・」
かぶるようにブラッドは返事した
「お願いします!!僕に剣を教えてください!
父上は家の事でいっぱいいっぱいです!しかしオリヴィアからは教えてもらいたくなかったので!」
「じゃあオレが休みの日はここに来よう!
オリヴィアの護衛も兼ねて!」
「わかりました!よろしくお願いいたします!」
少年は先ほどと違って少し怒りが収まったようだった
彼は自分自身に怒っていたのだろう
妹のジュリエッタと同じくらいに見えたが・・・・全然ちがうんだな・・・・
アーサーは優しく微笑んだ
そのままブラッドに見送ってもらいアーサーは城に戻った・・・・
コンコンコン
「オリヴィア今いいか?」父様が部屋に訪ねてきた
部屋にはティナもいる
気持ちが落ち着いたティナが私の身の回りのお世話の為に戻って来てくれていたのだ
「今日の事をアーサー殿に聞いた・・・・」
父様は凄く話しづらそうに
「犯人はわからないが・・・・もしかしたらオリヴィアが婚約者候補になった事が外部に漏れたのかも知れない・・・・」
父様の言いたいことがわかった
他の候補者からしてもライバルが減れば婚約者に近くなる
令嬢が傷物になれば絶対に選ばれる事はないのだから
もちろん犯人が残りの二人とは限らない他の二人もこれから危険な目に合うかも知れない・・・・
私は血の気が引いて行く
私はゲームでは婚約者だった・・・・もしかしたらゲームでは語られていないが他の令嬢を傷つけその地位を手に入れたのかも知れない・・・・
考えると恐ろしい
もしそうなら私は絶対にそんなことしたくない
「オリヴィア・・・・私から王族へ候補を降りるとは言えないが私はオリヴィアを危険な目に合わせたくない!」
「・・・・少しの間だけ領地に戻らないか?」
「え?領地?でも国王様方がお許しになりますか?」
「明日王宮に行って今回の事を話して見るが・・・・どうなるかはわからない・・・・やるだけやるさ」
父様は不安な顔だが私が心配しないように優しく微笑んでくれた・・・・
領地!行きたい!きっともうその時期が来る!
母様を止められるのはこの時?
ゲームのスタートは後1年半・・・・
状況がゲーム通りになっている気もする・・・・
でも変えたい!




