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殿下の婚約者候補の掲示がされた次の日に、私はいつもどおり、カトリーナ様とランチをした。
カトリーナ様はみんなに聞こえないように小声で、
『オリヴィア様!大丈夫です!今度は私が守りますので。』
と言ってにっこりと微笑んだ。その笑顔が可愛すぎて、うっとりと見つめてしまった。
「あまり見つめられると、照れてしまいますわ!」
カトリーナ様は顔を赤らめた。
「あっ!ごめんなさい!」
私は侯爵令嬢であるカトリーナ様に失礼だったかもしれない。
「あまりにもカトリーナ様が可愛くて見惚れてしまいました。」
私の言葉にカトリーナ様は、クスクスと笑って
「それはこちらのセリフですわ!オリヴィア様の可愛らしい容姿と正義感溢れる心意気にその太陽のような綺麗な髪色、全ての方を魅了してしまう紫色の瞳!オリヴィア様の全てが愛おしく、そのような方に出会えた私は幸せ者ですわ!そして毎日一緒にランチが出来るなんて奇跡です!」
カトリーナ様はいつにも増して私を褒める。
「カトリーナ様何かあったのですか?なんだかごきげんなようですが・・・・・」
「わかりますか?それは、今まで大きな顔をされていらっしゃったローラ様がアルバート様の近くに近寄れなくなったそうですわ!」
「どうしてそれを?」
「皆様は私が婚約者候補の1人だと前から思ってらっしゃったそうで、噂話が好きな方々が何でも教えて下さいますの!」
カトリーナ様は悪そうな笑顔!?というか、含み笑いをしている・・・・・カトリーナ様でもこんな笑い方をするのね!でも全く似合わないわ!私はおかしくなりクスクスと笑った。
「やっと笑ってくださいました!オリヴィア様は笑顔が1番素敵ですわ!」
「ありがとうございます!でもカトリーナ様が婚約者候補と思われて大丈夫なのですか?私は心配です。」
「極力1人にならず、ローラ様には近づかない!これを徹底すれば私は大丈夫なので、心配いりません。オリヴィア様は難しいですよね。同じクラスなのですから・・・・。」
「そうですね・・・・・一時期は私は違うと除外されていたようですが、昨日から殺気がすごいですね。」
カトリーナ様が心配そうな顔になった。
「でも!大丈夫です!お昼はこうして皆様と一緒ですし、授業中はエドガー殿下そばにいてくださいますので。」
「もうすぐ、全ての問題が解決しますわ!だからオリヴィア様も頑張りましょうね!」
カトリーナ様は凄く前向きだったから、もしかしてアルバート様から何か聞いているのかもしれない。
必要であれば私にも教えてくれるはずだから、その時まで待つしかない。私がカトリーナ様を問い詰めたらきっとカトリーナ様は困るはず。
カトリーナ様を困らせたくはないから。
3年生の卒業パーティに1年生が行く事はほとんどないが兄弟や親戚、婚約者や恋人が卒業するとか、友人などでもエスコートの依頼があれば出席出来る。
ゲームの中では、私はアルバート様の婚約者だったから出席して、婚約破棄される内容だった。婚約破棄されなくてもあまり良い未来ではなかった。
ゲームと違う道のりでここまで来たつもりだったけど。私は今回、参加するのかな?
アルバート様の婚約者は候補が2人いるからカトリーナ様と2人で呼ばれるのかもしれない。
怖くて私は行きたくはない。
後3ヶ月後ならそろそろドレスの準備も必要なのだけど、自分からあえて用意はしないでおこう!
あまり良い予感がしないから。
学園の帰りに今日はデュークのところに連れて行ってくれると、エドガー殿下が約束してくれたので、学園終わって教室から、ブラッドが待つ馬車までエドガー殿下と向かう途中で、下足室の手前で
ドンっ
後ろから何かがぶつかってきた。
そこまでの衝撃がなかった為に、私はよろけてエドガー殿下に掴まった。エドガー殿下も隣の私がよろけたので慌てて私を支えてくれた。
それと同時に
「痛ーい!!!!」
女性の声がした!聞き覚えがある・・・・
嫌な予感しかしない。
声の方を振り向くと、ローラだった。
やっぱり、
「オリヴィア様!ひどいですわ。私がアルバート様が仲が良い事を恨んでますの?」
来た。ローラの人前での演技が。いつか来ると思っていたけど、今なのね。
周りの生徒達がざわついている
アルバート様の婚約者候補の1人の伯爵令嬢とは私では、ないのかと。
「何を言ってるの?オリヴィアは何もしてないよ!僕と歩いてただけだから!」
エドガー殿下が対抗してくれた。
「エドガー殿下は騙されているのです!」
何か前にも似た感じのを聞いたな・・・・。入学してすぐの頃に。懐かしい。
「殿下!もう大丈夫です。ローラ様、大変申し訳ありません。私がしっかりと前を向いていなかったせいでぶつかってしまったようです。」
そもそも伯爵家が男爵家に謝るなどあるえないのだが、ここが学園である以上は、事を大きくしたくない。
ローラもまさかすぐに謝られるとは思わずに固まっている。
「どこかケガをされたのですか?それでしたら、医務室へお連れします。」
と言って、私は手を差し伸べた。すると横から私の手を払うように、他の手が差し出された・・・・
アルバート様だった・・・・・・・・・
「大丈夫?」
アルバート様はローラを優しくいたわるように手を握って持ち上げるように、起こした。
ローラの顔はみるみる赤くなり、私の存在など忘れているようだった。
「アルバート様・・・・・・」
ローラの瞳にはアルバート様しか写っていない。
周りの生徒達のざわつきは、私からアルバート様ヘと変わっていった。
エドガー殿下が「今のうちに行こう」
私を下足室から馬車へと、急いで連れて行った。
アルバート様?
今本気で私の手を・・・・・・・・・




