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私は自分が理事長を追いかける為に飛び出した窓の方にブラッドと手を繋いだまま、歩いて戻った・・・・・・
部屋の灯りから、遠くからでも中の状況がわかる!
アルバート様が護衛の方やメイドの方などにいろいろと指示している。
そばにエドガー殿下とデュークがいない。
ルーカス様とアレクセイ様について行ったのかも。
そんな事をぼんやり考えていたら・・・・
部屋の中にいたアルバート様が私達に気づいた。
アルバート様は一瞬こちらを見たまま固まったように見えた!
次の瞬間!アルバート様が私達めがけて、割れた窓から飛び出して駆け寄って来た!
そしてそのまま私に向かってくる!
え?
このままだとぶつかるっ・・・・・・・・・!
私は全身に力が入り、ぎゅうっと目を閉じた。
フワっとアルバート様の香りがしたと思ったら、
アルバート様に私は抱きしめられていた!
「ア・・・アルバート様!?」
え?
アルバート様に頭を撫でられた記憶はあるけど、抱きしめられた事何てない!!!
「・・・・・・・・・」
私は何も話さないアルバート様に何と声をかけていいかわからないし、アルバート様の香りがして、私は恥ずかしく顔がどんどん赤くなって行く。
「あの・・・・・アルバート様?」
私はアルバート様の背中を優しくトントンと叩いた。
アルバート様は一向に私を離してくれない・・・・・。
アルバート様は小さな声で
『本当にごめん!私は君を守れなかった!』
・・・・・・・・・
「私はケガしていません!それはアレクセイ様やルーカス様、そしてアーサーがいたからです!それってアルバート様の指示のおかげではないのですか?」
私はアルバート様の背中をトントン叩いて、
「アルバート様ありがとうございます!」
その言葉にアルバート様がやっと私を離してくれた!
少し名残惜しそうに・・・・・。
うわー!ものすごく、恥ずかしかった!
赤くなった顔をブラッドに見てもらって手で顔を扇いだ!
そして!報告!報告!と思い出して、
「アーサーが黒髪の男の人を追って行きましたっ!!」
アルバート様はすぐに騎士を呼んで、アーサーの応援に向かわせた!
「それと誰かを探してると言っていました。それってデュークの事ですか?」
私の言葉に、ブラッドが驚いている。
「まだわからないが可能性は高いね。」
「やっぱり麻薬で・・・・・。」
それ以上は聞けなかった。これ以上何かあったら本当にデュークは外に出られなくなるから。
「アルバート様、あのルーカス様やアレクセイ様は?」
私が2人の名前を出すと、アルバート様は優しく微笑んで、私とブラッドの頭に手を置いて、
「君たちのおかげで、2人は助かったよ。本当にありがとう!」
ブラッドは泣きながら、アルバート様に
「すみません、僕・・・・・2人が危ないってわかっていながらすぐに助けに行こうと思わなかったんです!僕はお礼を言われる人間ではないのです!申しわけありません!」
ブラッドは深々と頭を下げた!
私はブラッドの手を握って!
「違うのです!私を助けようとして・・・・」
私が慌てて弁解をしようとすると、アルバート様は
「結局は助けたじゃないか!それで十分だよ!」
アルバート様はブラッドの頭をワシャワシャと撫でる!
「そして、1番にオリヴィアを想う君を羨ましいと思ったよ。そんな私も我儘で罪深いよね・・・・・」
アルバート様は切なく笑った。
ブラッドが慌てて、
「アルバート殿下に罪はありません!」
と答えた!
「オリヴィア、ごめんね。急に抱きついたりして。」
その言葉にまたまた私の顔は赤くなっていく・・・
「いえ・・・・。」
私は赤くなった顔を両手で隠して下を向いた。
アルバート様は私の反応に満足したかのように、私の頭をポンポンと撫でた。
そして
「エドガーのところに行こう!」
急にアルバート様の顔は真剣な表情へと変わっていった。
アルバート様はそれからは話さなくなった。
私達を医務室に連れて来てくれた後は、執務室へ行くと言って護衛の方達と行ってしまった。
さっきのアルバート様は初めて見せてくれた本当の姿なのかな?とか考えてたらやっぱり恥ずかしかった。
医務室に入ると、1番にデュークが見えた!
もちろんデュークは私達2人に抱きついてくる。
「心配したよっ!大丈夫?」
デュークはデュークできっといろいろあるんだと思う。自由に好きな場所には行けない!
そんなに不自由なのに、デュークはいつも私達に優しい・・・・・・・・・。
私は抱きついているデュークの背中に腕を回して、
「デューク・・・・・ごめんなさい。」
私もデュークの自由を奪っている1人だ。
祝100話です!
ここまで読んでくださってありがとうございます!
まだまだ続きますのでどうぞよろしくおねがいします。




