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プロローグ
オレンジ色の髪が、風に揺れていた。
夕陽をまとうような、あたたかな光。
出会った瞬間、世界が静かになった。
目を逸らせなかった。 名前も知らないその人が、どうしようもなく輝いて見えた。
誰よりも優しく、誰よりも強く。
傷ついていることに気づかせないほど、まっすぐで、まぶしくて。
差し伸べられたその手が、
どれほどの勇気で伸ばされたものだったのか。
今なら、わかる気がする。
忘れられるわけがない。
あのまなざしも、 あの声も、 あの涙も。
名前も、表情も、姿も、全部――
焼きついて、離れない。
もう二度と、あの人を泣かせたくない。
あの人の笑顔を曇らせるものがあるなら、 それがこの手だったとしても、
必ず、乗り越えてみせる。
たとえすべてを失っても。 たとえ誰にも信じてもらえなくても。
今度こそ、守りたい。
この手は、絶対に――
離さない。




