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第五章 馬と腰と魔法と・・・

去年以内に投稿すると言っていたのにすみません。

もうお前なんて知らない?そんなこと言わないでください(泣)

今回は直人が城に向かうまでの話です。

ちなみに今回から紅炎が黎焔に変わりました。

よろしくお願いします。


目の前の重そうな鎧に身を包んだ人物を見ながら直人は悩んでいた。

さきほどから必死に脳内検索で該当人物とてらし合わせているが、こんな重そうな鎧に身を包んだ厳つい人物に面識がない。髪には白髪が混じっているが、体はそれと反比例するかのように、筋肉が自己主張していて現役バリバリといった感じだ。


もう一度確認のために立っている人物を見た。いや見上げると言ったほうが正しいだろう。

なぜなら縛られて座っている直人から見ると立っている人物を見上げることになるからだ。

目の前の重そうな鎧で身を包んだ人物は、さきほどから渋い顔をしている。

アリスと入れ替わるようにしてはいってきたのだが、今だ一言も喋っておらず重い沈黙がテント内を流れていた。

しかも相手がいかついということもあり、直人は挙動不審になっている。


「名はなんと言う?」

「は、はい!えーっと柏木直人であります!」


突然の質問に緊張からか、声がうわずってしまう。

そんな直人の姿に見かねたのか表情を和らげた。


「緊張せずとも普通に話していいぞ。」

「いいんですか?」

「うむ。構うことはない。」

「わかりましじゃなくてえーっとわかった。」

「うむ。してナオト、お前の話はアリスから一通りは聞いてある。」

「ホントか!?じゃあ」

「あぁ。縄も外してやる。」


アリステアの前では、あのように言っていたがガストン自身縄を外すつもりだった。

ただ何でもかんでも言うことを聞いていては、という彼なりの考えだ


「だがナオト。お前にはわしについて来てもらうぞ。」

「・・・・・はい?」

「ん?どうした?」

「えっ、いや、あの帰れないんすか俺?」


直人の淡い期待は無残にも消え果る。

そんな落ち込む直人にガストンは憮然とした顔をした。


「当たり前だ。仮にも捕虜だからな。このまま城まで来てもらうぞ。」


死刑宣告のように言い放った後、直人に背をむくよう指示した。


「そのまま動くなよ。動くと手まで飛ぶからな。」


さらりとゾッとするようなことを言いながら縄を剣で切る。


「よし細かいことは後で話すからついて来い。」


とっととテントの外に歩いてくガストンの後を慌てて追いかけた。

道すがら、捕虜の移動手段に期待は持てなかったがとりあえず聞いてみた。


「どうやって城まで行くんすか?」

「馬に乗っていく。ちなみに聞くがナオト、馬には乗れるか?」

「うっし!!」

「じゃあ━━


思わずでてしまった喜びを返事と勘違いされてしまう。


「い、今の返事じゃないですって!まあ一人では乗れないけど、後ろに乗るくらいなら余裕ですよ。」


歩きなどを想定していた直人はうれしくて親指をぐっと立てる。

そんな気楽な発言に、ガストンは言うべきか迷ったが注意する義理もないので、特には何も言わなかった。

この後城に向かう間ガストンの予想は的中したのは言うまでもない。

もちろん歩きのほうがよかったと後悔したのは内緒だ。





ここはとある城の部屋。室内に置かれてる家具やものはどれも高級感を漂わせ中世の貴族の部屋のようだ。そんな部屋のベットで直人は、腰の痛みに悲鳴を上げていた。

馬に乗って最初は、周りの景色を見たり会話する余裕があったのだが、だんだんと時間が経つにつれ腰がついていけなくなってしまい、城に着くころには腰の痛みでしゃべることも動くこともできず、ここまで兵士たちに運んでもらったのだ。

なんともはずかしい入城だ。

窓の外では、人々が戦いに勝ったことで騒いでいる。

ちなみにそんな直人の姿を見た国の人々の間では、人の形をした魔物では?という噂が密かに囁かれていたのは別の話だ。



「くそー馬なんっぐぎゃ!」


さきほどからは文句を言うたびに激痛がはしるという、情けない負のスパイラルの繰り返しである。

馬にとっては、逆恨みも甚だしい話なのだが。

そんな痛みに苦しむ直人の部屋にアリスが入ってくる。


「あら。やってるわね。でどう?」

「・・・・」


唐突に入ってきて簡潔な物言いだが、喋るのに疲れてしまった直人にはありがい。とりあえず首を横に振って答える。


「しょがないわね。ちょっと動かないで。」


おもむろに近づいてきて直人の腰に手を当てる。


「ちょ、まっ、マジっ━━

「はい動かないっと。」


パシッ。


「んーーぎゃあ!!」

「そうそう最初っからそうやって逃げなきゃいいのよ。」


腰を叩かれ撃沈した直人に楽しそうに言う。

そしてもう一度直人の背中に置くと、アリスの手がポワッとオレンジ色に光りだす。

一方直人のほうでも徐々に変化が起きていた。

さっきまでずっと続いていた痛みがだんだん薄れてきているのだ。


「どう?」

「暖けーし気持ちいい。それになんだが痛みが引いてきて腰が痛くなくなってきた。」

「じゃあそろそろ平気ね。」

「おう。マジで楽になったよ。てか今のどうやったんだ?」


ベットから上体を起こしてアリスのほうを見る。


「え?ただ暖めただけよ。」

「いやそうじゃなくてどうやって暖めたのか聞きたいんだけど。」

「あっ直人は魔法のこと知らないからか。ごめんごめん。」

「謝んなくていいから、早くどうやったんだか教えてくれよ。」


魔法という単語に反応した直人は、目を輝かせながらさきをせかす。


「わ、わかったわよ。だけどあんまりに期待しないでよね。」

「おう。」

「今のは、単純に炎属性の力を軽く手に宿しただけよ。ほら。」


もう一度オレンジ色に光らせた手を見せてくれた。


「すっげー。なあそれって俺にもできるのか?」

「やってみないとわからないわ。だけど直人は炎って感じがしないから違うと思うわよ。」

「何そのアバウトさ。まあいいや、じゃあ後で俺が何属性がやらしてくれよ。」

「いいけど直人は無属性じゃない?」


ニヤっといじ悪く笑う。


「な、なんでだよ!お前にできるのに俺ができないなんて可笑しいじゃん。」

「嘘よ。ナオトってなんでもすぐに信じて面白いわね。」


騙されたことに気づき、顔が赤くなったのをさらに笑われてしまった。


「うっせーな。俺は純粋なの。」

「はいはい純粋ね~。わかったからブスッとしないの。」


完全に主導権をアリスに握られているが悪い気がしない。というよりむしろ楽しく感じてしまう。

と同時にそんな自分を無償に悲しく感じてしまった。


「まあだけどあながち嘘でもないのよね。直人の家系に魔法使いっている?

「いないと思うぜ。けどそれってどうやってわかるんだ?」


至極当然の疑問を聞いてみると難しい顔をされた。


「そうなのよ。誰が魔法使いかなんて見てもわかんないのね。まぁ、実際に使ってるとこ見るのが一番早いんだけど。」

「じゃあ、魔力を探るとかってできないのか?」

「できるわよ。」

「なんで使わないんだ?そっちのほうが絶対早いだろ?」


どうやらハズレだったらしく、わかってないとばかりに首を横にふられてしまう。


「確かに誰でも訓練すれば見えるっていうか感じるようにはなれるわ。けど魔力ってもともとない人とある人と抑えてる人の三人いるのよ。だから一見ないように見える人でも実はすごく強かったりするから危ないのよ。」


アリスの説明に感心しているとここであることに気づく。


「なあもしかして、アリスに魔力があるかどうか見てもらえば、魔法使いかどうかなんて一発でわかるってことか?」


正解とばかりに直人をビシッと指さす。


「そういうこと。あ、ちなみに言うと魔力と属性は別ものだからね。っていっても魔力がないと属性なんてそんなに意味はないんだけどね。実際に見たあげるわ。」

「わ、わかった。」

「何緊張してんのよ。ただ見るだけだから特に何も・・・・あっ!」

「ど、どうした?!」


焦る直人の肩に、ゆっくりと手が置かれる。


「よく聞いて。ナオトから魔力を・・・。」


アリスの真剣な顔に、直人は緊張して唾を飲む。

一瞬の沈黙。そしてアリスは沈黙を破るように口を開いた。


「・・・・・感じ無いわ。」

「えっ!? じゃあ俺は」


唖然とする直人の目の前でにっこりと笑みを浮かべる。


「うん魔法使いじゃないわ。」


ショックのあまり固まってしまった直人は、自分のなかで何かが壊れた音を聞くのだった。

余り進展せづすみません。なんだか謝ってばかりですいま、あ!(笑)

ちなみに次の投稿はもっとはやくなると思います。

長い目で見てくれるとうれしいです。

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