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グラタン  作者: 7区 _ β
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はじめまして。ななくかりと申します。

他サイトにて小説を投稿していましたが、こちらに友人の勧めで引っ越して参りました。

この物語のお話はまったり進めて行こうと思っております。

他の物語も書きたいので(本音出た)…すいません(笑)



びーえるを付けようかと思いましたが、読んでくださる皆様に妄想を膨らませて読んでいただきたいのであえて何もつけませんでした(笑)

男同士とは断定しませんので色々な妄想でお楽しみくださいませ……

『もしもし?__?もしかしてもう家着いてる?やっぱり…ごめん!今帰るから!急いで帰る!』


急に掛かってくる電話。彼の電話番号を切れたあとも少しだけ眺めて幸せに浸る。


確かに彼も忙しい身だ。それは僕もそうだから分かっている。遅くなる彼をどうしても嫌いになれないのはマメな気遣いが人一倍あるからなのかと思ってしまう。


夕食を作りながら待つのは違和感を覚えるのであとひと手間加えるだけまではやってある。ソファーに腰掛けながら窓から外をちらちらと見てみる。

彼が乗ってくるであろう電車はわかっている。だから逆算してひと手間加える時間を待っている。

…そろそろ時間か。

ディナーにひと手間。外はすっかり寒くなってきたので今日はグラタン。オーブンにぶち込んでタイマーを回す。お湯も沸かして粉末スープの素を用意する。

がちゃりと音がする。確かに彼が帰ってきた音だ。それとほぼ同時にグラタンのチーズが溶け切ってどろどろに、スープも少し透き通って油が可愛らしい水玉模様を描いている。


『ただいまー!!!ごめんね!』


僕はこの彼を待つ時間が好き、だから特に何も言わずに彼に微笑みながらご飯食べよう?って言ってみる。

そうだった、早く食べたい!と子供みたいな可愛い彼は手を洗いに洗面所に消える。

それを見て僕もグラタンとスープをランチマットの上へと乗せる。きらきら輝くスープはカップの中で具材の舞踏会が開かれ、グラタンは食卓のライトを浴びて舞台に立った彼みたいだ。

お揃いで買った先割れスプーン。わんちゃんの絵がついている。二人とも犬に縁があるからね。


スープをひとくち。

猫舌の彼はその可愛い唇でふーふーしていて。結局まだ熱かったみたいで熱がってたけど。

スープをやっと飲めた彼の唇は油分を含んで麗しくなっていて僕を誘惑する。

こんなスープを作った僕が悪いのか。所謂、自滅もしくはブーメランってやつなのか。

そんなことを考えている僕を置いて彼は美味しそうにご飯を頬張る。

僕は彼のことを考えすぎていていつの間にか彼にずっと見とれてしまっていたみたい。


『ど、どーしたの、?僕なんかした、?でもなんか顔に付いてたら___は取ってくれるもんね、違うもんね…』


徐々に言葉の力は弱くなっていくけど全て僕には丸聞こえである。たぶん気づいてない。

あ、いや、美味しそうに食べてくれるなあと思ってさ、なーんて傍から見れば薄っぺらすぎる言葉の布で隠してしまう。

隠せているだろうか、とかは考えてない。そんなこと考えられない。もう僕の頭の中は可愛い彼のスクショタイムが止まらない。パッシャパッシャ五月蝿いほどにスクショしている。


『早く食べないと、折角___が作ってくれた美味しい料理冷めちゃって美味しさ下がるよ?…美味しさってなんだ、(笑)』


こんなに可愛い彼を眺めながら食べられる料理を温かく美味しいうちに食べないと勿体なくて仕方ないことに気付かされる。

彼という美味しさと共にこの夜ご飯を食べなくてどうする。早く食べないと、彼はご馳走様でした、とこの食卓テーブルを去ってしまう。ははは、そうだね。と微笑んで美味しく今日もふたりで最近の話なんかをしながら美味しいひと時を噛みしめた。


そんな幸せのとある1頁は今日も幸せのまま最後の行に辿り着いた。

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