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呪い。
それは、人の願い。
彼女達は、その願いを叶えるため、悪魔と契約を交わし、その身を魔法少女に変える。
人は、悪魔と契約を交わすことにより、その呪いを叶えることができる。
その呪いの対価〈果実〉は、
悪魔との契約によって、人に在らざる力を得た少女達は、魔法少女と呼ばれ、虚世という
神を辿る途の標
煉獄、此れは、天国、地獄そして、供世に列なる、神を辿る途の標
天国、此れは、天使が住まう世界である。
地獄、此れは、悪魔が住まう世界である。
供世、此れは、神が望む世界である。
そして、煉獄、此れは、
虚世―
彼の地は、天国、地獄そして供世に列なる、神を辿る途の標のひとつである。
供世の世において、存在の器より解かれた魂は、彼の地に留まり、置かれる。
魂は一つ処に導かれ、その火が、数多の魂を宿す炎と成る刻、虚世は、天を臨む。
天より遣いの被造物、魂を浄め、共に天へと昇るだろう。
ただそれだけの世界だった。
古の彼方、供世のある一人の少女が地獄のと或る悪魔に出会うまではーー
その出会いは、違う途を交わらせ、静謐な世界に歪みをもたらした。
歪みは、虚世に波紋となって広がり、それに添うように境界が顕現し、茫茫たる赤黒い界面が現れた。
その面と対になる宙には、極光が如き淡い幕が垂れ込んでいる。
拓かれてゆく世界。
悠久の時より、世界は、こう呼ばれている。
煉獄ーー
現在ここ煉獄の地に、一人の少女の姿があった。