6話 初陣2
初めての戦闘シーン(?)です!
(うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁ)
目の前に広がる約3000体のモンスター共。オーク程度の雑魚なら何万体いようが勝てると思ったんだけどところどころすごーーいおっかなそうなモンスターいるし。
まだモンスターの大群と距離はあるものの、一つわかることがあった。
それは先頭に立っているモンスター。姿形はオークみたいなのだがどう見てもオークよりでかく怖い。ソウマはとりあえず「鑑定」で調べてみる。
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種族・マザーオーク
武力3000
魔力30
気力2100
特記・オークの進化形態で上位種。「マザー」と付いているがメスではない。進化前よりも武力と気力が大幅に上がった。
称号・オークを統べし者。オークのリーダーにつく称号。
・怪力バカ。力任せに戦い100回勝利したものにつく称号。
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スキルはオークと大して変わらないので省略。
他にもゾンビとかゴブリン、アンデットモンスターがいたけど弱そうなので省略。と言うかステータスを見てすらいない。
マザーオークに対しては自分自身のステータスには遠く及ばないものの接近戦で戦うのはまずそうだ。
しかしだからこその魔法だろう。
そんなことを考えているうちにモンスターの大群は50メートル先くらいまで来てた。
村長を含め村人全員は村のあらかじめ用意されていた避難所まで避難していた。避難所は村の南の端にある。きっと迷いの森から来るモンスターの侵略を恐れたんだろう。
無論、南にダンジョンができて侵略をくらえばすぐに村は滅ぶだろう。しかし南からの侵略と北からの侵略。どっちが危険かといえば北のほうが断然危険だ。迷いの森があるのだから。
しかし流石は村長と言うべきだろう。誤った判断をしていない。
村のしんとした雰囲気に少しの孤独感を味わいながらソウマは魔法の詠唱に入る。
「我が名に従いし火の精霊サラマンダーよ。眼前の敵を焼き払い我の名のもとに汝の力を貸したまえ。地獄の炎!」
するとソウマの周りからはどす黒い炎が吹き荒れる。その炎は轟音と共に詠唱の通り眼前の敵を焼き払う。その勢いは敵の前衛を焼き尽くすに飽き足らず約3000体のモンスターを一気に飲み込む。
ソウマが放った魔法はAランクの火属性魔法・地獄の炎《ヘルファイア》。別に詠唱省略しても良かったのだが初めての魔法だしちゃんと詠唱してから発動させたい。
などと悠長なことを考えている暇はなかった。
村長の家にあった本に書いてあった「魔力の加減の仕方」のマニュアル通りに力を抑えたのだがモンスターの大群をたった一撃で全滅させてしまった。
ここでソウマは身体能力や動体視力もこの上なくチートだが魔法に関しては更にチート。ということを学んだ。チートを超えるチートってチートって言えるのか?そもそもこれってチートの範疇なのか?まずいな、チートがゲシュタルト崩壊する。
ソウマは自分自身の力に驚きを隠せず苦笑するばかりだった。
しばらくすると轟音に気づいたのか村人たちがソウマの元に向かって走って来るではないか。その中には当然のように村長も含まれている。
最初は村人たちの位置が自分から遠くて何を言ってるかわからなかった。が、ここで気力が豆腐のソウマは考え込んでしまう。もしかしたらあたり一面を焼け野原にしちゃったので怒ってるのではないかと。どうしようとソウマは考え込んでしまう。
そんなソウマをよそに村人たちは構わずこちらに向かって走ってくる。
ソウマが土下座で謝ろうと思いつき実行しようとする一歩手前でソウマは村人たちに抱きつかれる。何が起こったか分からずただただ困惑の表情を浮かべるソウマ。
しばらくして正気を取りも戻すと村人たちの感謝の声が耳に入ってきた。
「ありがとう」「この村は救われた」「ソウマ様バンザイ!」たくさんの感謝の声がソウマの耳に響き渡る。
そして自覚する。自分はこの村を助けたのだと。ソウマはとりあえず村人を落ち着かせると村長の家に行った。村長の家でもずっと感謝の意を延々と述べられ嬉しくも呆れてしまうソウマであった。
夜には盛大な宴が繰り広げられ、ソウマは太鼓や美味しい料理や酒を沢山飲み満足するとそのまま寝てしまった。
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「なんということだ」
「白き旗騎士団」の団長・ヴォベル=ロロナは思わず口走ってしまった。
親父の村がモンスター共に「侵略」されると聞かされすっ飛んで来たのだ。親父はどうやら騎士団を雇ったらしいがその騎士団は迷いの森で全滅したと聞いている。いくら近道と言えど迷いの森を自分たちの実力を考えずに入るとは愚かな輩だ。
それは十分に予想できた。親父の村は金がなくいい騎士団など雇えないと。
だからこそヴォベルは護衛も付けず一人で迷いの森を越えこの村に来たのだ。自分が親父の村を助けると。しかし現状は違った。モンスターの気配などなくあるのは焼け焦げたモンスターの腐敗臭だけ。
誰がやったのだろうか。そう頭で考える前にヴォベルは村に入って行った。するとそこにはソウマという黒髪に赤い目の好青年が皆に祭り上げられていた。
「俺が、、、俺が一刻も早く報告せねば」
仮に本当に彼が一人で侵略を食い止めたならそのような人物を他国に渡すわけにはいかない。なぜなら彼一人いるだけで戦争の戦況など容易く変わってしまうからだ。
ヴォベルは父親に会いたい気持ちを抑えながら闇夜に消えて行った。。。
そろそろヒロイン登場させたいな^ - ^