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22話 かわいそうな王様

幕間的なお話ですね。とばしてもOKです

 うふふ~ん、ぬふふ~ん…


 いえ、別に楽しいわけではないですよ。これでも非常に落ち込んで怪しげな節をつけながらベッドのシーツに「の」の字を書いているところです。

 

 ナゼナラバ!


 竜のくせに過労で倒れたんですよ…。これって働きすぎのサラリーマンのごとく過労死だってする竜だってことを証明してしまったことになるのです。

 ずずぅぅぅ~んと落ち込みます。


 さらには先日お見舞いに来てくれたゼノの一言。


「やかましいっつって総隊長とグレンが国王陛下をのしたってな~!?」


 がはははは~っ。て笑ってましたが、笑いごとではないと思うのです。

 もうすでにその日から3日経っていますが気が気ではありません。

 国王陛下ですよ。国のトップですよ? 日本で言うなれば総理大臣を一発KO ですよ? 罰金です。独房入りです。この世界でなら打ち首もあるかもしれない!


「リーリア、飯の時間だぞ」


 あ、ご飯ですね。起きます。


 ベッドからひょいっと飛び降りると、そのまま用意されたテーブルへとぽてぽて走ります。もちろん椅子は少し高めの大人用なのでグレンが乗せてくれました。

 

 落ち込みはどこへやら、ご飯は心を浮上させるアイテムです。

 し・か・も。おかゆとはいえお米です! この世界にはお米があったのです!

 

 昨日はまだ喉の違和感があって味がわからなかったですが、今日は大丈夫です。朝飲んだ薬も激マズだったとわかりましたから!(できればわかりたくなかった)


「いただきます」


 子供用スプーン片手にいざおかゆを一口。


 パクリ 

 もぐもぐもぐ…ごくん


 スプーンを持つ手が震えます。

 思わず涙も出そうになりますが、ここにはモンスターペアレンツと化す神竜がいるので我慢です。ですが、震えるのは止められませんっ。


「うまいか~?」

「か、感動的に」

「そうか、よかったな」


 震えを誤魔化し、頭をわしわしと撫でられます。

 

 なぜ…


 なぜ!


 おかゆが甘いのぉぉぉぉぉ!


 食べましたよ。もちろん、一粒残らず食べるのが礼儀です。ですが、食べた後のこの残念感。日本人ならわかってくれるでしょうかっ。

 

 世界には甘いおかゆがあるってそういえば聞いたことがありますが、こんなすごいんですね…。朝から結構なダメージをいただきました。

 

なので、お昼には砂糖でなく塩で作ってほしいとリクエストしてみました。


 その後はベッドの上でゴロゴロ。時々眠って目が覚めたらグレンのお仕事(セルニア国周辺の環境維持等)の書類を見て字を拾ったりしているうちにお昼になりました。 



 ちゃあんとお昼には塩味のおかゆが出てきましたよ。

 

 ただ、ただね、お昼にはなぜか例の国王様が姿を現してね、塩味のおかゆに興味を持っちゃったんですよ。

 緊張してカチコチになる私のそばに、ドカリと腰かけた体格の良い白髪に白髭を口周りに生やしたいかにもーっな王様は、私と同じものをメイドさんに所望しまして。

 そして一口…。


 さすが王様ですね、一粒も残さず食べましたよ。


 ものすごい眉間に皺を寄せてましたがね…。

 食文化の違いに私同様プルプル震えてましたがね。


 そして無言で去っていきましたよ…。


 王様、名前すら名乗りませんでしたね…。


 

 

気絶させられたり、まずいご飯を食べさせられたり(自分で選んだことですが)

タイミングの悪いところへスッと入ってくる王様の登場です。

名前すら出てないかわいそうな王様だけどねっww

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