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13話 未確認飛行物体の正体は!?

 ただ今激しく落ち込み中です。立ち上がれないかもしれません。

 

 ゼファーさんの横で、がび~んっと効果音を付けられそうな勢いで地面に両手をついた私に、騎士達は驚いてゼファーさんを攻めております。

 ゼファーさんはといえば、ほろほろと涙をこぼす私の姿に大いに焦り、その体を縮めて必死に慰めてくれているのですが、原因がわからないので最終的には騎士共々あたふたするばかり。


 いま、今はそっとしておいてほしいのです…。


「ええと、何の騒ぎ?」


 一番下っ端のリオン君がようやくいろいろと準備を終えて傍にやってくる頃には空がうっすらと明るくなっておりました。


「なんだゼファー、怖がらせたのかぁ?」


 がはははと笑いながら歩み寄るゼノ。その後ろには冷ややかな空気をまとったアルノルドが立ち、ゼファーを睨みました。


『ちょ、まてまて、わしゃあ嬢ちゃんの質問に答えただけで旦那を怒らすようなことはしとらんと思うがの』


 焦るゼファーは一歩後ろへ下がり、幹部以外の騎士達が全員「あ」と口を開けた。


「こんの、アホ竜がぁぁぁぁ――――!」


 ばちこ~んっ!


 ものすごい痛そうな音が響き、さすがの私もびっくりして涙をひっこめました。

 

 何事ですかっ!?


「時間は正確に! 隊列は乱さない! 竜と言えど騎士団の一員。何度言ったら覚えんのよこの鳥頭っ、鳥頭っ、鳥頭ぁ! 鳥に謝んなさい!」


 えぇっ? どういう説教ですかっ?


 べちんべちんと何度か尻尾を振りおろし、ゼファーの頭を打った後、腕を組んでふんっとふんぞり返ったのは、ゼファーよりも一回り小さな白い細身の竜でした。



「チェル、子竜のリーリアだ、面倒見てやってくれるか?」

 

 アルノルドにひょいっと抱え上げられた私を、白い竜はそのピンクの瞳を細めて見つめてきます。

 

 ピンクの目って可愛いですね。おそらく彼女だと思うのですが、騎士達が言っていたチェルシーさんですね、女神と噂の。


『リーリアでしゅ』


 噛みました。やめてくださいアルノルドさん、人を抱えたまま笑いをこらえてプルプルするのは。


「た、隊長が悶えてる…」


 え? 何を見たらそうなるんですか隊士の皆さん。これは明らかに笑いをこらえる図でしょう。


「やだっ! 何このかわい~子! 竜族とコボルトの雑種?」


 チェルシーさん…。雑種って…。


「チェル、とりあえず馬の方を砦に戻すよう誰かに言ってくれよ」


 ゼノさんが冷静に一塊にまとめた馬を指さし、チェルシーは頷くと後ろを振り返った。そこには、いつの間に集まったのか、何頭もの小柄な竜がホバリングして待機しておりました。


『アルノルドさん、あの竜は』


「あれは飛龍だ。片言の念話しか使えない。チェルは精霊種、セネドラだ」

『精霊種? セネドラ?』


 首を傾げ傾げ聞くと、チェルシーがばさりと空へ浮き上がる。


「風を纏うのが我が竜種よリーリアちゃん。セネドラは世界最速の竜なの」


 そういうと彼女はほんのりと輝きだし、あっという間に一直線に空へと舞いあがったかと思うと、ジグザグしたり、直滑降したりして空を自由に飛び回った。その姿はまさに…


『UFO?』


 思わずアルノルドさんの腕の中で某アイドルの踊りを踊ってしまいました…。



 

UFOが竜だったらいいな~

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