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11話 希望が見えました

 自己紹介の後は幹部以下の騎士達のお夕飯となりました。全員ではなく交代制のようです。

 ゼノさんの周りではなぜか筋肉自慢大会が始まっております。中にはボディービルダー並みの方がおりますが、リオン君曰く強くはないそうです。


『リオン君以外は触っていると念話が聞こえるのですか?』


 お膝抱っこも少し慣れ、アルノルドさんに尋ねると、彼はコクリと肯く。


 青竜隊というのはセルニア王国の騎士であり、竜の血が混じっているという団体のことでもあるのだそうだ。だから普通の人々よりずっと竜が身近で、例えば、普通なら魔道士などとしかできない念話も、自然に行えるのだという。


「竜に近いものは早くから念話もつかえるが、今は竜も個体数が減ったからな、異種族婚も少ないし、竜の血が目覚めるまで20年かかるものもいる」


 ファンタジーですね。血が目覚めるなんて、ひょっとして少年漫画のような怒りによりブチ切れ竜バージョン、怒りで全てを破壊する~なんてものもあるんですかねぇ?


「竜化は純血種だけだ。まぁ、血に引きずられて荒っぽくなることはあるが、全てを破壊するようなことはない。でなければ人間と共存できなくなるからな」


 おぉ、どうやら念話として伝わっていたようです。ファンタジーや漫画のところはさらっとスルーされたようですが。


『そういえば、竜化ってなんですか?』

「竜化は竜に化ける。これは人間側の言い方だな。竜族が人型を取った後竜に戻ることをいう」


 ほほぉ、竜族は人型を…


 人型!?


『竜って人間になれるのですか!?』


 ガバリと立ち上がり、食いつくように尋ねれば、不思議そうに見下ろすアルノルドさんは肯いた。


 なんてこったい!そんな話は初耳ですよクロちゃん!

 私、人間としての人生は諦めてましたが、ひょっとして…恋はやり直せるのかもしれません!


 思わず床に膝を折り、祈るようなポーズでいるかいないかわからない神へと感謝した。




 _____________



 恋をしたこと?

 ありませんよ。こいってなんですのん?人に自分の時間とられるってどんだけ面倒なのよ。


鈴木保奈は枯れていた。それは自分でもよくわかっている。でも、心の奥底では恋はしてみたかったし、子供だってほしかった。でも、ある程度ちやほやされたのは10代~20代。30にもなれば友人とは「おばさんだよね~」と頷きあい、職場の人たちには「まだ若いわよ~」と社交辞令を言われる。

 35を過ぎたころには「結婚しないと子供産めなくなるわよ?」なんて言われ、40過ぎたら陰で「あの人まだ独身なんだって」なんて言われた。「諦めたのよ~」なんて言ってた気がする。


 出会いがないのよ、ていうのは言い訳。努力もしなかった。元々面倒くさがりなのだ。だから仕事の合間に誰かに付き合って時間を取られるのが億劫で、恋愛なんて考えないようにしてた。


 サービス業って休み少ないし。少子化を止めたいなら仕事にゆとりくれっ!、て政府にいちゃもんつける女だったのだ。


 思い出しても枯れ枯れ、枯れ果てておりました。


 ところが今!私にあるのは時間と、若さと、希望です!

 どこまで一緒かはわかりませんが、今現在、私は子竜(どうもそのニュアンスでとられたと思う)として騎士団に保護されることが決定しましたし、皆さん――ま、まぁ、筋肉も好きですよ?――いい男っぷりです。ここはひとつ恋のハンターとなろうではありませんか。


じゅるり


 あ、ヨダレ垂れてしまいました。


 目指せ素敵な幸せラブラブ竜ライフ!



 あ、多少財力は必要ですかね。バイト探してみましょう。

 

 

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