表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/25

〜仰天・驚愕〜

空手が終わり、家に帰ると、もう引っ越しは済んでいたようだ。


外はまだ明るいので気付かなかったが、もう7時を過ぎていたらしい。


「親父、サンキューな。」


俺は、俺に気を使ってくれた親父に礼を言った。


「おお、帰ってきたか、瞬。見たか?アレ。」


……アレ?


「何?それ。」


「見てないのか…。ま、見れば分かる!」


…何のことだろう。


俺は居間を出て、正面にある階段をゆっくり昇った。


前の家はマンションだったので、階段は新鮮味があった。



階段を上がりきって、俺は驚愕した。


なんと部屋へ繋がるトビラが5つあったのだ。


「これって、少なくとも5LDKってことだよな……。


 うちってこんな金持ちだったっけ……。」


うわ〜、なんか急にリッチになった気分だ。Feel rich! Feel rich!



手前の右の部屋を開けると、空と海がいた。


「おにー!いいでしょー!」


「いいでしょー!」


「おお!良かったな!空、海!部屋貰ったのか!」


大分スッキリしてる。


というか、部屋がデカ過ぎる。正平方で、6m×6mもある。


これが5つもあんのか……。


全面に青いじゅうたんが敷いてあって、奥にはベッドが背中合わせで置いてある。


手前はおもちゃが散乱していて、早くも自分たちの部屋で遊んでいた事が丸分かりである。


「じゃ、プラ◯ールやるときは気をつけろよ?」


「はーい!」


「はーい!」


俺はそう言うと、空&海'S Roomをあとにした。



その隣の部屋は、詩音の部屋だった。


女の子らしい。壁紙はピンクで、花柄だ。


それにしても、片付いている。



左手前の部屋は、信二の部屋だった。


うわ〜、我が弟ながら、大人っぽい趣味。


畳に囲碁板。座布団、奥にはふすまもある。THE 和だ。


「何ジロジロ見てんだよ。」


「いや〜別に。」


「じゃ〜早く出てけよ。あ、つーか兄貴アレみた?」


「アレ?なんなんだよ、アレって。」


「見てねーのか……、じゃ、いいや。」


ったく、もうすこし性格が良ければ完璧な人間なのに。


あ、でもコイツも親父と同じで俺に気ィ使ってくれたな。


感謝、感謝。……それにしても、弟に気を使われる俺って…。



その隣はお袋と親父の部屋だった。



「ここが俺の部屋か。」


入ってみると、一番小さい部屋であった。


ベッドと勉強机、本棚を、スキマなしに置いてある。一辺が5mもない。


「……。まさかこれがアレ……ってこたぁねえよな…。……ん?」


俺は本棚と勉強机の間のトビラに注目した。


開けてみると、下り階段がいきなりあり、ここでも驚愕した。


まるっきり外だが、縁側のようになっていて、普通に素足で行けた。


「何があんだろ?」


縁側廊下を進んで行くと、別館にたどりついた。


一般人の家に別館て……。


俺は三度目の驚愕をした。


そして、四度目の驚愕は別館の中に入った時だった。


「でっけぇぇぇぇぇ!!!!」


そこは体育館のようであった。


といっても、けして大きな体育館ではない。せいぜい20m×20mくらい。


でも一般人の家からしたら仰天物である。


しばらくあっけにとられ、体育館に腰をついていたが、


後ろに人がいるのに気付いて、振り返った。


「どうだ!これ!」


得意そうな顔をしてるのは親父であった。


俺がどうしたんだよコレ、っていう顔をしていると、親父は


「お前の金で作ったんだ!」


と言った。


しばらく考えていたが、急にその意味が分かった。


俺は関東大会を六連覇している。


関東大会の出場者は毎年500人以上。


その頂点に立つものは十分な賞金がでるハズだ。


しかし、俺はそんなものを見た覚えも、聞いた覚えもない。



そうか、ここにつかったのか。



「…俺の六連覇でどれくらいになってたんだ?」


俺はその額に興味がわいた。親父は満面の笑顔でこう言った。


「一回の優勝で100万だからな、600万だ。」


600万……。


たしかにすごい額だが、これではとても個人宅に道場を作るなどできない。


と、思っていたら、親父が続けて言った。


「全空連(全日本空手連盟)に直接相談しに行ったら、すごいまけてくれてさ。


 『期待の超新星に期待しましょう!』だってさ!ハハハッ!」


おお、全空連様。ありがとう。


そしてその期待に応えるべく、ここでもっと頑張ります!


「ここで練習は自由にして良いぞ。


 だが、練習も良いが、明日から学校だからな。」


…………学校!?

 瞬 :全空連様…、直接お礼を言いたいくらいだ。


ドロン!!


全空連:じゃ、お礼を貰おう。


 瞬 :いろんな意味でまた驚愕!?

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ