〜新天地〜
…ガラッ!!
瞬は勢い良く道場の戸を開ける。
「押忍!!お願いします!!!」
瞬はそう叫ぶと、深々と一礼した。
その声に、道場の門下生らは一斉に瞬に視線を向けた。
「だれだこいつ…、新入りか?」という視線というよりは、睨みつけられている視線に近かった。少なくとも瞬はそう感じた。
それにしても、体格的にゴツいヤツが多い。
前の道場と全然ちげーじゃん。
でもまぁ、その分練習厳しそうだし、もっと強くなれそうだな。
勝手気ままに想像していると、でっかいヤツらの中でも、さらにデカいヤツが、瞬の前に立って睨みつけた。
「……てめぇ、新入りかぁ??」
「…はい。ここの師範はどこにおられますか?一度挨拶したいのですが……。」
「その必要はねーよ、ここは小学生の参加は認められてねーからなァ!」
……このデカブツ……。
俺を小学生だと?もっかい言ってみろコラァ!俺がその気になりゃてめーらなんぞイチコロなんだぞ!!
そう言ってやろうかと瞬は思ったが、引っ越しの幸先、あまり目立ちたくもないので、
「俺は中二ですが、それでも参加できないのですか??」
と、控えめに対処する事にした。いまじゃこれが精一杯である。
「…………お前が…中二ィ?……ブワッハッハッハ!!!!!」
デカブツが笑い出すと周りの門下生も笑い出す。
この野郎。何がおかしい。ホントマジコイツぶん殴ってやろうかな。
「何がおかしいんですか。」
「いや〜ウソは言っちゃダメだよ〜ボク〜!
どうしても入りてーんなら、俺を倒してごらん〜〜??」
カチン、言ったなコイツ。
でもラッキー。
このいらつく野郎をメタメタにできる + 道場に入れる
良い事だらけだな。うん。
「分かりました。どっからでもかかってきてください。」
「…………ワッハッハッハ!マジでやる気かよ!!」
「来ないなら…………行きますよ!!!」
瞬は右手を素早くデカブツの顎にヒットさせる。
「………痛ってぇ!!もうキレた……。コイツボコボコにしてやる!」
デカブツはサイドからボクシングのフックのような突きを、瞬の首もとめがけて突き出す。
しかし、瞬はスッとしゃがみ、その突きを簡単にかわすー。
「……これがアンタらのやってる空手ッスか?これじゃボクシング……っしょ!!!」
しゃがんだスキにデカブツを足払いィィィィ!!!
ドッテーーーーン!!!!
ふぅ。どうだ!思い知ったか。
「これで……文句ないッスね?」
デカブツも含めて門下生は全員口をパカッと開けている。
そのとき、道場の奥の部屋から、誰かが出てきた。
「こらぁ!お前ら!何遊んでる!!もう刻み突き100本終わっ……た…のか?」
なんか見覚えのある人が……。
「あ、瞬!やっときたか!!」
「え?え?もしかして………優牙さん!?」
デ:くそー、「ヤキモチ」ついちまった!!
瞬:それをいうなら「尻餅」っしょ…?