〜相談〜
「いいじゃねーか、もう。付き合っちまえよ。」
拓也が細い目で瞬を見つめる。
学校に着いてからはもう大変だった。
内山がリベンジだと言わんばかりに襲ってきたので
まず一本。
学校に入ってからも、女子にはコソコソなんか喋られてるし、
急に他の部活からの勧誘が来たり、
全く初対面の人から「よっ!今日暇?」とか言って肩に手をやってきたり。
…で、休み時間。
女子はもちろん、男子にさえ横目で見られている。
瞬は今朝の事を拓也と信一に話した。
「…………賛成。」
信一も拓也に同意する。
「でもよう、内山にさらに恨み買うの、ヤなんだよなぁ。」
「いいじゃねーか、全校生徒の約半分を敵に回すより。お前強いんだし。」
「………そうそう。」
「………でもなー。何かパッとしねーつーか。」
「そうか?生徒会長、そこそこ顔良いと思うぜ?ま、俺ならイヤだけど。」
「顔じゃねーよ、バカ。」
「……………。」
キーンコーンカーンコーン
「あ、次、なんだっけ。」
「体育だよ、サッカー。今度はサボんなよ?二人とも。」
「…………。」
「…………。」
ー運動場。
どうやら剛堂ティーチャーは体育の教師らしい。そのまんまである。
「とりあえず、軽くウォームアップしたら、コーンドリブル2周!」
「……イヤだなぁ。」
「…………うん。」
「何が?」
拓也が瞬と信一の頭をポンポンっと叩く。
「じゃ、まず最初は…この前の授業に出てない高須と山元!」
剛堂ティーチャーの一言で、全員がザワつく。
「じゃ、信一から行けよ。」
「……………分かった。」
シュッ!タッ、タッ、タッ、タッ、タッ、タッ、タッ、………
「…………35秒!」
「すげーな。信一。俺と同じタイムだぜ?」
「…………拓はトップタイムなの?」
「ああ、だからお前もトップだ。」
拓也が信一の背中を叩く。
「じゃ!次、山元!」
「…………。」
シュッ!タ……タタッ!…コロコロ……。
「…………。」
タッタ…ババッ、トン!
「……1分13秒。」
全員再びザワつく。
「…なんだ、アレ。」
「俺よりへたくそじゃん。」
「アイツ喧嘩だけなんだなぁ。」
「瞬。なんで本気でやらなかった?」
拓也が瞬のデコに人差し指を突き立てる。
「本気でやったら、また他のヤツらに目つけられる。」
「………なんだソレ?」
女子は体育館でバスケをしていたが、休憩中にそのほとんどが瞬を見ていた。
拓:よっ!流石主人公。モテるねー。
瞬:作者のエコひいきだろ。