〜生徒会長〜
「………。」
サッカー部員が一斉に黙る。
俺が拓也に
「誰だよあいつ。」
って耳打ちすると、拓也は
「この学校の生徒会長、「泉川 遥」だ。
アイツの女子の支持率は高いからな。ヘタに逆らえば、すぐに廃部にされる…。」
と言った。
へー。怖えーな。
「あらあら、あなたは………転校生の山元 瞬くんじゃない?」
え…。何で俺の事知ってんだよ。
「見た所スポーツは出来なさそうね。どう?生徒会に入らない?」
…カチン。
「んだとぉぉぉお!?」
「おい!やめろ瞬。」
「なに?図星だった??クスッ。」
何なんだコイツ。失礼過ぎるだろ。
「へっ、そっちこそ…んなにツッパってっと、いつまでたっても彼氏できねーぞ?」
「……!!」
「……瞬。アイツが彼氏いないって…分かるのか?」
「俺の女に対する勘をなめんなョ。」
「あたしにたてつく気…?…いいわ。あたしとカケをしない?」
「……カケ?」
「おい、瞬。こんなヤツの言う事聞くなよ。」
「………サッカー以外でもスポーツはできるの?」
「球技ならな。」
「フフフ……。実はバスケ部の大事な大会でレギュラーの一人がケガをしてね…。」
「…何だよ。出ろってか?」
「…まぁ、そうね。
それで、10点以上差をつけて勝てたら…サッカー部の存続を認めて上げるわ。」
「10点だと!?」
サッカー部員がざわつく。
「ただし、それが出来なかったらサッカー部は今後一切活動しない事!」
「瞬。やめろ!無茶だ!」
「いいぜ…?受けてやろう。」
グランドがざわつく。
「………ま、口だけは達者なようだし、せいぜいがんばりなさい。
試合は3日後よ?二言はないんだからね?」
「おい!瞬、お前バスケできんのか!?」
「人並みに…な。」
「………。」
「拓也…、俺を信じろよ?絶対アイツとの賭けに勝ってやるよ。」
「………瞬。」
「さぁてと、道場行くかな!」
「……まてよ………瞬。」
信一が俺の後ろにくっついてきた。
「………勝機なんてあんの?」
「んー?信一も俺の事信用してねーのか?」
「……。」
「俺、土壇場に強いからダイジョーブ!」
「じゃーな!信一。俺、こっちだから!」
「……瞬。また明日な……。」
もうすっかり、陽が落ちていた。
泉:なんであたしに彼氏がいない事…分かんのかしら…。
瞬:すくなくてもそういうオーラが出てるし、誰の勘でも分かるだろ。
カーン!
拓:大丈夫か…?瞬…。
瞬:………し…死ぬ…。