〜はじめに〜
中学の部活では、武道部の比率がとても低い事をご存知だろうか。
中でも「空手」というスポーツは世間体から見てとても有名な武術である。
だが、実は高校でも武術全般から見ると、
「空手部」がある学校というのは大変少ないのである。
これには、理由が二つあると、私は考える。
まず第一に、空手という武術は、とても幅が広いのだ。
「空手」「からて」「KARATE」「カラテ」、これらは全て空手と読む。
しかし、これらは全て内容が異なる空手なのである。
例えるならば、
腕の立つ料理人数名が「一つの肉じゃが」をオリジナリティを出して作ってみろと言われ、
その結果、全員異なる味の肉じゃがができたという感じである。
全て肉じゃがだが、全て異なっている。
どれが正しいという訳でもないが、一つにまとめるのは不可能だ。
そう言った具合に、空手も幅が広いので、
一つにまとめ、部活とするのには難しいのである。
そのなかでも、一つにまとめ、
うまく他校と連携をとれる学校では、空手部があったりする。
第二に、「柔道」などと違い、相手に外傷を与える可能性が高いのが空手である。
下手をすれば、相手の一生を変えてしまう事もある危険な武術。
教育委員会やら、保護者やらから文句を言われても仕方ないスポーツなのだ。
同じ理由で、「合気道」「少林寺」といった拳法も、部活になっている物は少ない。
逆に、相手を傷つけることの少ない「柔道」「弓道」は部活としても
認められやすいのである。
しかし空手が日本に普及していないというワケではない。
個人の道場などで空手を学ぶ人口もそこそこである。
しかし、反面オリンピックなどのスポーツの代表的な大会に
出れないこともあり、空手人口が低迷しているのも事実である。
この小説は、空手をやっている中学校二年生の少年の話だ。
これを読んで、少しでも空手に興味を持ってくれる事を願う。
執筆日 2009.12.29
投稿日 2010.4.18