表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
テンプレに従わない異世界無双 ~ストーリーを無視して、序盤で死ぬざまあキャラを育成し世界を攻略します~  作者: さとう
第三章 霧の国シャドーマ編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

91/113

十二執政官序列六位『悪童』ザンニ⑦

 海斗は、新たな権能を得ると同時に、自分の状態に付いても理解した。


(やっぱりだ)


 確信した。

 『魔王の骨』を見に宿すと、魔力と『邪骨士』の力だけではなく、肉体そのもののスペックが上がる。

 『魔王の左足』を宿した時も感じたが、海斗は身体に力が漲るを理解する。


(今の俺は、間違いなく強い)


 恐らく、オリンピックで金メダルを何個も取れるくらい、身体能力が上がった。

 恐ろしさも感じつつ、同時にこれ以上ない力だとも思っている。

 この『魔王の骨』が、海斗の身体に宿ることこそ真の使い道だとでも言うように。

 

「さて、やろうか……救世主くん」

「ああ。テメエの核を抉り出してやるよ」


 ひゅんひゅんとククリナイフを回して弄び、海斗はアイテムボックスから大量の骨を出し、周囲にばら撒く。


「『骨命(リ・ボーン)魔改造カスタマイズ』!!」


 狼の骨が巨大な骨狼に、鳥が巨大な骨鳥に、コウモリ、犬、猫とどれも巨大化、凶悪化する。

 今や海斗は、最大で二十以上の『骨』を、大きさに関わらず改造し、使役することができた。


「喰い殺せ」


 骨に命じると、ザンニに向かって骨が向かう。

 だがザンニは、天井に手をかざす……すると、天井を突き破って一匹の蛇が伸び、ザンニの手に絡まって一気に上昇した。

 

「あはは。ここでやるのもいいけど……せっかくだし、この国で遊ぼうよ」

「……!!」


 海斗は、ザンニが何を企んでいるか一瞬で看破。

 骨狼を呼ぶと跨り、砕けた天井に向かって跳躍。

 研究所の最上階では、ザンニが待っていた……だが、ただ待っていたわけではない。

 ザンニの目の前には、あまりにも巨大な『蛇の頭』が、目を閉じて鎮座していた。


「『ヨルムンガンド』か……!!」

「知ってるんだ。ま、そういうこと」


 ヨルムンガンド。

 ザンニの切り札。『蛇王アンフィスバエナ』の力を注ぎ込んで作り出した、ザンニの最高傑作の蛇。

 原作では、リクトに追い詰められたザンニの切り札として登場。ザンニと一体化し、霧の国シャドーマを崩壊寸前にまで追い込んだ。

 あるとは思っていた海斗。海斗は、召喚した骨たちに一斉に命じる。


「行け!!」

「残念……ふふ」


 ザンニは、『ヨルムンガンド』の口を開けて中へ。

 骨獣たちが向かうが、ヨルムンガンドがカッと目を開き大きく口を開くと、そのまま全て丸呑みされた。同時に、気配が一瞬で消える……毒により、すぐに溶解したようだ。


『あはは。救世主くん……どうやって戦う?』


 メキメキと、ヨルムンガンドが頭を上げる。

 海斗は骨狼に命じ、その場から退避。

 天井を破壊し、巨大な頭、そして身体が研究所を突き破って現れた。

 その大きさは、海斗がこれまで出会った魔獣の中でも、トップクラスの大きさだった。


「チッ……」


 翼のないジャンボジェットの胴体が、いくつも連結したような大きさだった。

 数百メートルを超える巨大な白蛇。破壊された研究所の下に海斗は骨狼と着地。白蛇を見上げる。


『あはははは!! 小さいねえ、救世主くん。さあさあ、見せてくれよ。ここからどう逆転するんだい?』

「声のデカい野郎だ」


 現在位置を確認。

 研究所の裏手にある森に着地したのか、周囲には壊れた民家などがあった。

 

「……めんどくさいな。よし、行け!!」


 骨狼に命じ、走り出す。

 すると、ヨルムンガンドが地を這い、海斗に向かって来た。


『逃げないでくれよ。どんな手を使ってボクを倒す? ねえ、ねえ!!』


 知識欲……こんな姿になっても、ザンニは海斗に期待していた。


 ◇◇◇◇◇◇


 イザナミたちは、無数の蛇をひたすら始末……そして、研究所を突き破り、巨大な『蛇』が現れるのを目撃した。


「なな、なんじゃありゃあ!?」

「……なんという大きさだ」

「キッモ!! きもい、キモイしいいいいい!!」


 ハインツたちは驚愕していた。当然の反応だろう。

 イザナミ、ツクヨミも驚きこそしたが、むしろやる気になっている。


「おー、デケえな。あれが感じてた『強い気配』か?」

「ああ……恐らく、あれが執政官だろう」

「おいおい、カイトのヤツ、大丈夫か?」


 ツクヨミが言うと、イザナミは頷く。


「カイトは問題ない。彼は強いからな……」

「ほー、お前、惚れてんのか?」

「惚れ……? わからない。だが、カイトは強い。私が認めた男だ」

「いいね。じゃあオレはどうよ?」

「お前は……」


 イザナミは、ツクヨミをジッと見る。だが、すぐに不快そうな顔をした。


「お前は、強いだけだ」

「かかか。そりゃ光栄……まあ、オレにとってお前は妹みたいなモンだしな。性欲の対象にはならねぇよ」

「……妹だと? 不快だな」

「まあ、仲よくしようぜ」


 イザナミは大蛇の首を斬り飛ばし、ツクヨミは頭を蹴り飛ばす。

 兄と妹……そういう関係が、意外にもしっくりしていた。

 

 ◇◇◇◇◇◇


 一方、コリシュマルドの元には、サクヤを抱えたヨルハ、全裸のカグツチがやって来た。


「おねえちゃん!!」

「安心しろ。鎖蛇はすでに除去した。傷の手当ても終わっている……じきに目覚める」

「……よかった」


 コノハナは、サクヤをギュッと抱きしめる。

 すると、コリシュマルドが、近くのロッカーから白衣を取り出し、カグツチに渡す。


「もう……まさか、ハダカで走ってきたの?」

「はい。でも、寒くないので」

「……そういう問題じゃないのよね。ヨルハ、あなた……」

「む? 別に寒くないぞ?」

「……はあ。どうやら、いろいろ教えることがありそうね」


 コリシュマルドは苦笑し、カグツチに白衣を着せた。

 すると、サクヤが目を覚ます。


「うぅ……」

「おねえちゃん、おねえちゃん!!」

「……コノハナ!! あなた、怪我は? 生きているの?」

「うん。わたしは大丈夫……この人たちが、助けてくれたの」


 サクヤは、ヨルハとカグツチ、コリシュマルドを順に見る。

 そして、しばし考え込み、俯いた。


「……ザンニ様は、私たちを切り捨てたのですね」

「頭の回転が速い子は好き。つまり、そういうこと……でも、アナタも、妹も、カイトの指示で無事。もうザンニはアナタたちのことなんて頭にない。私たちと一緒にいれば、安全」

「……本当に、感謝します。この恩、どう返せば」

「それなら、できることはあるわ」


 コリシュマルドは、サクヤにそっと顔を寄せる。

 妖艶な美女。どこか目の離せない容姿に、サクヤは一歩下がるが、コリシュマルドはさらに顔を寄せる……互いの胸が触れ合い、潰れる。


「サクヤ。あなたとコノハナは……」


 コリシュマルドは、『海斗の策』を二人に説明。 

 サクヤは驚いていたが、少し考え込むと頷いた。


「確かに……それは、私にしかできませんね」

「おねえちゃん、わたしもいるよ!!」

「そうね……わかりました。私とコノハナは、カイト様に忠誠を誓います」

「誓います!!」

「ありがとう。でも……まずは、カイトね」


 次の瞬間、地鳴りがした。

 窓から外を見ると、巨大な白蛇が地面を這い、どこかへ行ってしまった。

 コリシュマルドは小さく呟く。


「カイト。こちらの仕事は完了……あとは、アナタ次第」


 戦いは、最終局面に入っていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
テンプレに従わない異世界無双 ~ストーリーを無視して、序盤で死ぬざまあキャラを育成し世界を攻略します~
レーベル:GA文庫
原著:さとう
イラスト:山椒魚
発売日:2025年 5月 15日
定価 863円(税込み)

【↓情報はこちらのリンクから↓】
iafemxj63vzbenw1cozh6eykl32_k9p_k8_sg_2x9u.jpg



お読みいただき有難うございます!
月を斬る剣聖の神刃~剣は時代遅れと言われた剣聖、月を斬る夢を追い続ける~
連載中です!
気に入ってくれた方は『ブックマーク』『評価』『感想』をいただけると嬉しいです

― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ