表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
28/102

両属地

当時はまだ、先王朝時代。

かはそに朝の宗主は突如として、流行病で身罷った。


宗主に子は無く、妃でもあった異母妹のみが残された。

当然ながら、かはそに朝は大混乱。


結局は、亡き宗主ご落胤という触れ込みの男子を迎え入れ、叔甥婚でことなきを得た。


新宗主は元々、里下がりしていた侍女が産み、侍女は産後まもなく亡くなったため、侍女の実家でひそかに育てられていたのだ、という説明だった。


戦闘狂の匪躬には、つくづくどうでもいい話だった。


だが新宗主には、あるこだわりがあった。

彼の故郷がある土地だ。


そこは、かはそに朝と円理朝の国境にある係争地帯。

取ったり取られたりを繰り返し、コロコロと所属が変わる両属地。


新宗主の不安定な出自。そこから更に、異国産まれにはなりたくなかったのであろう。



そんな新宗主と同世代には、蒿雀氏の青二才ーー普段は“太将”という役職名で呼ばれる男がいた。


この青二才は、いくさの才能に欠けていた。


とかく我儘で他責思考。

堪え性がなく、失敗すれば部下のせい。

上手くいったら自分の手柄。


あれでは結果も人も、ツイてくるものもツイてこない。



蒿雀氏も、ほとほと困り果てたのだろう。

本来の青二才には、勿体ない位の才女を嫁がせた。


名を、亜久里あぐりという。

彼女は匪躬の妻女の姪に当たる。

出陣もするし、手柄も立てる。


笛の名手で、どんなに遠くからでも聴こえる音色は、狼煙とならんで前進や退却の合図でもあった。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ