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崖の上手な歩き方

崖を歩く。これは人生そのものだ。崖の前に立ち、崖先へ向かって歩く。いつか自分の限界が来て、引き戻る。人生も、こんな事の繰り返しだ。2度目の挑戦、1度目よりは前に進む。思ったより先に進めるなと思った時、足を滑らせ、地面に手をつく。悪寒がして、立ち上がらず四つん這いで、引き戻る。どうだろう、崖を歩くとは、人生そのものでは無いだろうか。

「先輩、慰めるならもっと分かりやすく言って欲しいっす。」

先程彼女に振られた後輩を慰めようとしたんだが、どうやら失敗だったようだ。「付き合って3ヶ月しか経ってないんだろう?大丈夫大丈夫、今日から3ヶ月経てば君にとって彼女は他人だ。」「そういう事じゃ無いんですよ...」そう言って、彼は大きなため息をついた。

「だいたい、先輩の言ってることには大きな穴がありますよ」

「崖を歩くって言いますけど、もし落ちちゃったらどうするんですか。死ぬってことですか。めちゃくちゃですよ。」

今度は私が大きくため息をつく。どうやら意図が伝わりきらなかったようだ。「すまない、難しかったか。じゃあさっきの話は忘れてくれ。」「これもなんか、小説の受け売りすか。」そう問われ、違うと答える。「これは私の言葉だよ、私の人生そのものと言ってもいい。」「意味わかんない人生送ってるんですね。」思わず私が吹き出し、彼も笑う。こんなもんでいい。傷ついた時は、笑うに限るのだ。

そう、彼には笑顔が似合う。「できればずっと、君には私の隣でそう笑っていて欲しいな。」そう言おうとして、飲み込む。結局私も、崖を歩くのが下手くそなのだ。

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