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「問題が起こった」


 シャドウが夜に尋ねてきてそう言った。


「賭場が開かれ開いてる奴らがどんどん力をつけて行っている、このままだと俺たち裏の抑制も効かないグループができてしまう」

「賭博って違法だっけ?」

「もちろん違法です、出入りしているだけでも・・・それこそ見学しているだけで罪になります」

「・・・ラインが言うなら間違いないな、じゃあ賭場に踏み込んで制圧と言う形で」


 そこに嬉々としてドアを開けて入ってくるティア・・・

「悪人を倒せばいいのよね?」

「ダメだぞ」

 ・・・

「泣きそうな顔してもダメ」

 ・・・

「無言で圧迫してきても・・・ちょ、殺気は勘弁!」

「じゃあ良いわよね」

「・・・シャドウ、相手のメンバーのリストと場所の案内よろしく、ゴウ頼んでいいか?」

「・・・犠牲は抑える」


 ・・・ゴウ、マジでストッパー役をお願いする、領兵たちもなんかウキウキとしているように見えるが気のせいであってほしい。


 あっさり型がついてなんと四十名も逮捕者が有り、用心棒をしていた十五名が抵抗が激しく領兵によって取り押さえられた時にはもうすでに虫の息でほどなく亡くなった。


 幸い領兵に怪我人は出たが死者はでなかった、逆に建物や備品など周りの物の被害が大きかったが、それくらいならこっちのお金で修繕しよう、あと被害にあった家や商店に見舞金も出しておくようロットに伝える。


 賭博か・・・ゴレスンで生まれた人間の発想力舐めてたわ・・・シャドウとつながりが無かったらもっと大事になっていたかもしれない。


 最後に捕まえた人たちの内訳、賭博グループ十名、客三十五名、見学者五名だった。


 まずは見学者、罰金十万ゲン、そして客、棒打ち後罰金二百万ゲン、賭博グループ全員処刑となった。


 ロットやセバスは奴隷にした方が良いと言っていたがラインが今後こういう事が起こさせないためには苛烈な処断も必要だと言ったので悩んだが処刑とした。


 漸く騒動が収まったと思ったが思わぬところに飛び火した・・・



 ◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆



 義兄のシャストから相談が上がってきた、やはり賭博に関してのようだった。


「さて・・・どう対応すべきか・・・」

「他領の事ですので・・・」

「ダトゥルは先駆けてシャドウとの協力関係がありましたから何とかなりましたが・・・」

「他領に領兵を入れるわけにいきませんので・・・」

「すでにトップのグループがやってたら手出しする術が無くなるな・・・」


 うーん・・・なかなか悩ましいな


「囮捜査」


 ぼそりとゴウがつぶやく、たしかにいい手だがそんな賭場に出入りしていそうな悪人顔なんて・・・居た。


「俺かよ!」


 クドは文句言ってるが何とかしてほしい・・・




 ◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆




「くっそう、今日も負けちまったぜ」

 悔しそうな顔をして賭場から出る男、その男に近寄っていくクドが居た。


「よう、おっちゃん時化た面(シケたツラ)してるな、酒でも飲もうぜ」


 そういうとおっさん二人は酒場に消えていった。



「ほほう、ここが賭場ってやつか、緊張感が溜らんあぁ」


 緊張感のない声を出すのは上手く賭場に溶け込む男クド、その後大負けしながらも、あちこちの賭場に顔を出していて顔見知りも結構増えているようだ。


「ここはダメだな、よそに賭場とかあるのかい?」


 自然な雰囲気で他の賭場を聞き出していく、負けが込んでいるのもあり徐々に賭け率の高い賭場が紹介されていく。





 そろそろ頃合いだな、シャスト率いるジャゴン領兵、徐々に集めたダトゥルの領兵も加わり一斉摘発に乗り出す。


 一夜にして大量の逮捕者と結構な数の死者が出たが・・・自業自得だろう。




「いやあ本当に助かった、そういえば伯爵になったんだってなぁ、もうマルコンとは呼べないな」

「気にしなくていいんじゃないでしょうか?陛下からしてあんな感じですから」

「じゃあ友人同士ということでこれから俺の事も義兄じゃなくシャストと呼んで欲しい」

「分かった、これからもよろしくシャスト」

「ああ、これからもよろしく頼むよマルコン」


 男同士の静かな夜は更けていった・・・




 ◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆




「住民が一気に減って大変なんだよ助けてよマルえもん」

「どこでそんなネタ仕入れてくるんだシャスト・・・」

「前にマルコンが助けてシャスえもんって言ったから・・・」


 犯 人 俺 か !


「ん~・・・一つ目が農奴を買って辻褄を合わす・・・が出費も痛いし税収も上がらない」

「二つ目が税率を安くして流民を受け入れる、これも税収減で治安の問題も出る」

「三つ目はダンジョンの近くに領営の物を増やして収入を得る、これは初期投資に掛かるがダンジョン都市に成ったりして税収も上がる可能性も出てくる」


「どうやったらそんなにポンポンと案が出てくるのだ?」

「自分の事じゃないからかなぁ・・・」

「他人事だな!」

「他人事だよ?」

「そういえばそうだな・・・」


「まぁ選ぶとしたら三つ目だな」

「結構金掛かるぞ・・・」

「・・・」

「貴族同士の金の貸し借りは御法度だしなぁ・・・」

「そういえばダトゥルの拡大したいって言ってたよな?」

「ああ、だけどシャストのところに囲まれ・・・まさか」

「そのまさかだ、陛下から預かってる土地を勝手に援助と引き換えるのは爵位を剥奪されたうえで死罪になる可能性があるがマルコンの方から領地拡大を願い出てしぶしぶこっちが資金と引き換えと言う形にすれば何とかなるはずだ」

「早速行きますか」

「善は急げだな」


 シャストと私は王都に向かった・・・



 ◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆



「うーむ・・・案は良いがマルコンの負担が大きいな」


 宰相は眉間に皺を寄せてウンウン唸っている、負担と言っても国の財布じゃないのに・・・


「と言うか態々そんな事しなくても義理の兄への見舞金じゃだめなのか?」


 ルッツさんナイスアイデア!


「悪くない案だな、それからオセロ伯すまんが諜報兵だっけ?貸してくれない?」


「ダトゥルを住いにしてるから難しくないかなぁ・・・」


「じゃあうちの兵の中から人相悪い奴でも選ぶかなぁ・・・」


 win-winの法則を伝え、無理に下部に入れようとしないのがコツとだけ伝えておく。


 ダトゥルに比べてスラム大きいもんなぁ・・・王都って・・・

更新が只今二日に一話とペースが落ちております。次話は六月二十九日八時投稿予定です。


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