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使いがやってきた日の夜シャドウは裏口からやってきた。
「七割のスラムの住民は表に出ることを望んでいる」
「人数にして何名か分かる?」
「男は五百二十名、女が八百二十名、成人前の子供が二百名って感じだ」
「家庭数で言うとどのくらい?」
「七百戸あれば行けると思うがそれだけの住宅有るのか?」
「ちょっと足らないな、スラムの一部領営住宅立てていい?」
「残る俺たちは奥へ纏まる、あと心配している事が有るんだが聞いていいか?」
「何なりと」
「この領には獣人が居ないのだが排斥しているのか?」
「そう言う事をした覚えが無いが・・・クド~」
「呼んだか?」
「この領に獣人いないって話だが理由あるの?」
「昔は居たって話をお袋から聞いた事が有る、詳しく聞いてくる」
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
「そうですね、私の娘時分の頃なんでだいぶ昔の話なんですが獣人の傭兵が町を荒らした事が有ったんで年寄りは警戒を持ってるかもしれません」
クースに礼を言いシャドウに話を戻す。
「と言う事らしいが私は差別意識も排斥もするつもりは無いが老人には受けが悪い事が分かった」
「いや猫人と人狼のグループが居てそいつらをスラムに近い所に住まわせてやって欲しい」
「差別や排斥に対する備えか」
「ああ、その通りだ」
「ほかに請求や要望はあるか?」
「この街には花街が少ない、と言うか俺たちの界隈しかない、それに対して領主からのお墨付きが有ればうれしいが」
「風俗の営業許可か・・・病気や避妊に関しての対策ってあるのか?」
「いや普通に何日かに一回神官に来てもらって避妊や病気に対する癒しは受けているが」
「毎日来てもらえ、それに対する金が必要なら領からじゃなく私が金を出しても良い」
「なんでそこまで?」
「性病と言うのは感染しやすく完治しにくい、利用者は船員が多く発病しても神官に掛かりにくい、他所でそれがばら撒かれては問題になる、それにそこで働く女性の為でもある」
「なるほど、良く分かった、あんたがただの貴族では無いってことがな」
ニヤリと笑いお互い握手を交わす、非常に悪そうな顔なのはお互い様なので言わなかった。
「「仕事が増えましたな・・・」」
ロットとセバスが突っ込んでくるがスルーする、五年前に比べれば微々たるものである。
ラインは何も言わず黙々と仕事をしている。
スラムの住民たちは男性は半分以上領兵に入った、その中には猫人と人狼も居て身体能力の違いに驚いたりもしたがティアのしごきに耐えられるほどではなかったようだ・・・
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
さて、紙の生産も軌道に乗っていよいよ新しいゲーム作りに入っていく。
候補はトランプとボードゲーム、他にも小説、絵本などを作っていこうと考える。
早速とん挫したのがトランプだ、和紙を張り合わせても固くならずやたら分厚くなってしまったのが原因だ。
この辺は圧着って言うのかな?プレス加工ができないと難しいな。
と言う訳で作ったのが人○ゲーム、大型化したが貴族ルート、探索者ルート、平民ルートに分けることにより多様性が出来た、みんな貴族ルートを選ぶだろうが実は罠をたくさん仕掛けておいた。
元々貴族は入ってくるお金は大きいが領主イベントと領地カードで当たりが出ない限り出費の方を多く設定してあるしルートも長く一着を取ることが難しくした。
探索者ルートは一番儲かるが死亡フラグたっぷりにして怪我や世代交代などで一~五回休みがちりばめられている。
平民ルートは一番距離も少なく職種やイベントも多くしてあり楽しめるようにしてある。
早速やってみるがアレックスが平民ルートを選び一着で喜んでいた、ティアは探索者ルートで一番お金持ちになって二着、貴族ルートを行った私は借金だらけの上最下位であった・・・
「これって三種類のゲームにしちゃいけないの?」
アレックスの何気ない一言だったが別にして遊んでみると結構いい勝負になり、勝ったり負けたりの喜んだり悲しんだりで盛り上がった。
しかしなぜか貴族版は不評で少し出費を減らすなどのバランス調整を行った。
大型版と三種版をもって早速王都に出かけてくる。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
「はっはっはこれは楽しいな伯爵」
「今度は負けませんぞ」
「私もやりたいです」
「参加させてください」
「ルールは覚えた」
「お腹すいた」
陛下宰相大臣ズそれに私で大型版をやったが阿鼻叫喚となった。
「ぬぉぉ、このわしが借金じゃと・・・」
「ほっほっほ、穀倉地帯の領地ゲットです」
「「「「借金がー」」」」
宰相以外借金だらけになり不評だったがならばこっちの貴族版をやってみましょう。
「おお、楽しいな、爵位が上がっていく」
「領地が増えるのも良いですな」
「「「「借金が無い生活と言うのは良いですな」」」」
楽しんでもらええ何よりです
「これは面白いの、娘たちとやる事にしよう」
「ずるいですぞ陛下、こんな面白い物を独り占めなど!」
宰相の声も聞こえ無いようでホクホク顔で陛下が貴族版を持って行ってしまった、宰相、良いおっさんなんですから泣かないでください・・・
探索者版と平民版、大型版を残しておいて早速量産していく、ルーレットの大量生産が難しいためサイコロを作っておいた。
しかしこれが大問題に発展するとは思っても居なかった・・・
更新が只今二日に一話とペースが落ちております。次話は六月二十七日八時投稿予定です。
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