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貸倉庫業の頃の暇さが懐かしい、そう思えるくらい忙しい、ロットもセバスも手伝ってくれているがなんでこんなに忙しいんだ?クド、お前はハンコ押しとけ。
「なぁロット、バカ子爵もこんだけ忙しかったのか?」
「言え全く、忙しいのは年貢が入ってくる時くらいでしたがそれも私たちに丸投げでした」
「じゃあなんでこんなに忙しいんだ?」
「船に限ればですが、他国の船の受け入れ票、出港票、それに伴う入国税、係留費、関税、売上税、出国税ですな船一隻に七枚です他にも・・・」
「いや、うん楽しようとしたんだがどれ無くしても問題あるわ・・・」
「ご理解いただけたようで何よりです、それよりも手が止まっております」
パチパチカリカリ、パチパチカリカリ・・・クド休んでないでハンコ押していけ・・・
「俺さー「私とおっしゃってください」私さー貴族ってもっと優雅で待ったりしてると思ったの・・・」
「幻想ですな」
「私のような下々の物には分からない苦労ですね」
「貴族になったおめぇが悪い」
ロット、セバス、特にクドひどいなおまいら・・・
知識チートしようにもその知識が無いからなぁ・・・港関連の税だけでも分ければ書類減るかな?省庁を増やす?やっぱ人手か・・・
昼食前に何とか終わり、ティアやアレックスと食事タイム!癒されるぅ。
アレックスも離乳食を食べ始め、お昼寝してても寝返りうったりと見ていて飽きない、ハイハイはもう少し後かなーと思ったりしている。
しかし平和は家庭はそんなに続かなかった・・・
夕飯後ロットが重々しく言ってきたのだ。
「旦那様、陛下より『そろそろ大丈夫か?』と言う書状が来ているのですが・・・」
「・・・何が大丈夫なんだろう?」
「恐らくですが昨年出来なかった軍の演習かと思われます」
「伺ってくる・・・」
悩む、伺うよりも前に悩んでしまう・・・演習に俺、じゃない私などが行って何の役に立つのだ・・・
「演習?そうね去年延期になって以来だからいこっか?」
「??・・・ティアも来るの?」
「一昨年までは兄様の代理で行ってたけど・・・そう言えば今年はどうなのかな?」
「陛下と義兄に伺いの書状出す・・・」
クドとタインに走って貰い確認を取ってみる、貴族ってめんどくせええええええええ!
伝書鳩とかって・・・鳩を見た事無い気がする、これだから中途半端な知識チートはきついんだ、あと何かあったかなぁ・・・井戸ポンプ・・・仕組みが・・・滑車じゃなく跳ね釣瓶?だっけあれなら分かるな、ちょちょいのちょい・・・やっぱ封印、お金は必要以上にあるしこれ以上爵位が上がったらと思うと・・・
「普通は上げたがる物なのですが・・・」
ロットさらっと俺の思考を「俺ではなく私です、あと顔に出るから読めるのです」そっすか・・・俺って言ってる顔ってどんなんだろう?
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
シャストじゃない義兄からの返事はすぐ着た、今年はシャスト本人が来ると書いてあるが・・・何故来ている?義兄よ・・・
「ふふふ、それは・・・書類仕事が嫌になって逃げてきた!そうそう、多分知らないと思うだろうから良い事を教えてやろう、領主不在時には家令と執事二名のサインが有れば領主印押さなくても書式として問題が無くなる」
「義兄よ、うちまだ家令・・・居ないんだよ」
「筆頭執事は?」
「ロットが首席でセバスが次席でクドが見習いかな?」
ロット、セバス・・・なんでじゃんけんしてるんだ?あ・・・セバス負けたセバスどこ行くんだ?クド連れてきてじゃんけん?セバスが勝って喜んでる?
「と言う訳で家令はクドさんに決まりました」
決まりました( ー`дー´)キリッじゃないよ!そういうのを押し付け合いっていうんだよ!
・・・一応聞いておく、クドに家令が務まると思うか?
「まず無理でしょう」
「いやぁ、がんばればなんとか・・・」
「勘弁してくれ・・・」
「ロッ「老い先短い我が身、若い者に席を譲るのも勤めの内でございます」ソウイウモノカ?」
「じゃあセバ「若輩の身なれば経験豊富な方がやるのが当然です」ソウデスカ?」
あ~あ~う~・・・もうアレッ「まだ立つこともできない我が子に当主譲ろうとか考えぬようお願いいたします・・・」ソッスネ・・・
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
夜、一人で港まで来て考えている、そりゃ激務になると分かっていて引き受ける奴なんていないだろう、孤児たちの教育も始まったばかりだ、使い物になるには数年はかかると思う、でもふつう押し付け合うか?そんなに俺に人望・・・確かに無いな、楽しようとするばかりだし結果周りの仕事も増えてきてるもんなぁ・・・
酒の量も増えてきたなぁと、へそくりで買った酒をちびちびと飲みながら考え事をしているとどんどん悪い方に考えてしまう・・・
「貸倉庫屋、なに港で黄昏てるんだ?行ったら店が無くなってたからびびったぞ」
「『最大の彼方号』の船長じゃないですか?お久しぶりですねぇ・・・」
「『最大の彼方号』はもうねぇんだ、海賊にやられて沈んだ、おかげで小型の船で何とかやりくりしてるって訳だ」
「商人とか船に乗ってる人ってなんていうか強いっすね・・・」
「強かねぇよ、俺だってあん時のこと思い出すと泣きたくなる時もあるからな」
「そんなもんですかねぇ・・・」
「そんなもんだ・・・俺も勤め先さえあれば小型なんぞ乗る事も無いんだが・・・」
「勤め先っすか・・・子爵家で家令とかできます?」
「貴族相手に商売することもあるから礼儀とかは何とかなるな、港関係の書類ならお手の物だし・・・まぁ何とかなるんじゃねぇかな?」
「ほほう、それじゃ俺・・・私の家で飲みながら話しますか」
「貸倉庫で寝泊まりしてたのに家もあるのか、ダトゥルも綺麗になったからなぁ・・・良いぜ飲もうか」
「じゃあ案内しますねぇ~」
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
「ちょっと待て貸倉庫屋、ここエロールド男爵の屋敷だろう?勝手に入ったらこれもんだぞ」
首にトントンと手を当て元『最大の彼方号』船長ラインは首をすくめた。
「子爵様、お帰りなさいませ」と門番が門を開ける。
「どうなってるんだ?」
「ニヤニヤ」
「口でニヤニヤ言うなよ、教えてくれよどうなってるんだ?」
玄関に二人で入り、玄関のベルを鳴らそうとするが・・・どっちがロットでどっちがテリカか忘れてしまった・・・結構酔ってるな・・・
チリンチリン
奥からロットがやってくる、酒と肴の手配を頼んで来賓室(実は初めて入った)で飲むことにする。
「もしかして・・・貴族になったって事か?」
「『最大の彼方号』の荷物受け取ってた頃にはすでに騎士爵は持ってたんだ、そのあと陛下から叙勲されることになって男爵に、そのあと半年もたたずに子爵になってしまって家の中の事もままならないってとこなのさ」
「知らぬ事とは言え子爵様に大変ご無礼な発言の数々お許し願いたい」
「ああうちのモットーは『堅苦しいの禁止』だから、そんなに緊張しなくていいよ」
そこにテリカが酒と肴を持って来てくれた、相変わらずタイミングばっちりだな。
さぁ家令候補を何とかして口説き落とさねば・・・
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