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港町リューナ、それが降ろされた町の名前だ、幸い言語の違いはあまりなく、方言程度の違いで済んで会話には困らずに済みそうだ。
まずは小銀貨三枚、三万ゲンを二百万ゲンまで増やさないと返れない、貸倉庫をするという手もあるがこの大陸にはもっといい商売が有る、ダンジョンのバックパッカーだ、命の危険は有るが上級と呼ばれる集団のバックパッカーは日雇いはもとより貸倉庫より儲かるという話だ。
問題もある、ダンジョンに入るのだから命の危険が有る、それに今の俺は紋章入りの短剣くらいしか持っていない、三万ゲンでは碌な装備もそろわないだろう。
止むを得ずアイテムボックスの中の残っている酒を商店に売り込む何カ所か周り、二十万ゴンそこで酒は尽きた、日も暮れかかってきていたので宿をとる事にしたのだが宿代で三万ゲン要求された、ぼったくりである、そこで気付いたのだが酒代もずいぶん買い叩かれていると・・・
不味い状況だ、しかし背に腹は代えられん、三万ゲン払いカギを受け取ると部屋に入る。
夜になり腹が減ったので一回の酒場に降りてみると一種異様な光景があった。
「エールが温いぞ!これで千ゲンはぼったくりだろう!もっと負けろ!」
「気持ちだけサービスしといてやるよ」
「そういえばここの宿に言い値で払った馬鹿が要るらしいぞ」
「どこの坊ちゃんだよ、頭腐ってるんじゃないのか」
「そいつ商店に酒売ったらしいんだが交渉もせずに買えたって親父がほくほくしてたぞ」
「この町来て値切らないとか可哀想な奴だなぁ」
はいすいません、俺の事ですね・・・そうか、大阪のエグイ所だと思えばいいわけか・・・
「おい、言い値で払ったんだからいいもの食わせろよ、酒も上等なの持って来いコノヤロー」
「ぉぅぉぅ、坊ちゃまが癇癪起こしたぞ、こりゃまいったまいった」
宿の者がそういうと皆大爆笑であった、そうか、そういう町なんだな・・・
そうとくれば話は早い、翌朝から武器や防具を探す、大体売り値の三倍を言ってくるから元値と読んだ十分の一位から駆け引きスタートだ、相手に焦りが生まれる、営業経験者舐めるな!大阪のエグイ会社相手のエグイ交渉トークしてやる・・・
勝った、相手が焦った時点でこっちの勝ちともいえるが武器屋も防具屋も泣かしてやった。
そして探索者組合へ向かい探索者の登録をする、登録職はもちろんバックパッカー、登録料とか言い出したんで受付のお姉ちゃんも泣かした。併設されている酒場から泣かしてやるなと言う声と交渉技術に感心するものとバックパッカーとしての値踏みをするもの、三様の視線を浴びせられたが・・・ティアの怒った時ほどの気配は居なかったので多分大丈夫だろう。
折角なのでここで昼飯だ、店員ビビってるなフフフ・・・奥からごついコックが出てきて「定食三千ゴン、エール付きだ」から始まった、即座に俺は踵を返し「じゃあよそで飯食ってくるわ」と答えた。
勝った!コックは泣きながら飯を作ってる・・・鼻水とか入ってないだろうな?モグモグ・・・辛!痛!何入れやがったコックぅぅぅぅ!周り中大爆笑、これは慣れてきてやりすぎる新人に対する洗礼だそうな、いいから水寄越せ、飲んだ後に有料とかいうなよ!・・・
ふう・・酷い目にあった、とりあえずダンジョンの有る町まで行かないとな・・・荷運びないかな~・・・う~ん日当一万ゲン以上の仕事が無いな・・・ちょいとお姉ちゃん、身構えなくていいってダンジョンの有る街までの荷運びでアイテムボックス持ち用の依頼はあっちに貼ってないよな?と聞くとかくかくと頷いている、お姉ちゃんが言うにはアイテムボックス持ちは一軒だけじゃなく複数の依頼をまとめて引き受けて護衛を雇うらしい。
単価が安い分量をこなせと言う事か、重ねて時間経過の無いアイテムボックスだから生鮮食品、壊れ物をメインで引き受けると言い貴族様からコレを預かれるほど信頼されてると言って紋章短剣を見せる。
さてこれでダンジョンの町まで無事付けば三十五万ゲン位まで集まった、護衛か・・・護衛は値切りたくないな・・・かと言って雇わないと言う手は無い、相場(普通の)を聞くと一人一日一万、行程は徒歩七日・・・ギリギリ五人で赤字か・・・と悩む・・・片道七日で儲けが無いなら貸倉庫を開いた方が儲かる・・・時間経過の無いアイテムボックス持ちのバックパッカーの相場を聞いてみると・・・日当十万、まじか!しかも出物が有ったらボーナスまで出るってか、悩む・・・命の危険は有るが上手くいけば一月で帰りの船代が出る。
決めた、護衛は三名を頼んで組合を出る、宿屋で有無を言わさず一万ゲン払いチェックイン、手紙を書き始める・・・
『ニーロティア、アレックス、ドジな俺を許してくれ、俺は今隣の大陸の港町リューナに居る一応帰りの船代の当てが出来た、ダンジョンのある町バルバラでバックパッカーやって帰るから心配しない様に。』
裏書『ロットへ、これを持って行った奴に船便代を渡しといてやってくれ。マルコン・オセロ印』
『海の覇者号』の船長に直接渡してお願いしとく、ダトゥルの領主の館へ持って行ったらお礼金が貰えるからと伝え船を下りた後「今度はきちんと降りたからなー」と大きい声で言っといた。
翌朝組合に行くと護衛が紹介される・・・小僧だな?小娘だな?保護者か?と言ったような三名・・・ちょいとお嬢ちゃんおぢさんとOHANASIするかい?
話を聞くと有望な若手がすぐ引き受けたがさすがに不安なのでベテランにお願いしたと言う事らしい・・・
「ジークとアンナ、それからベテランのガルラかよろしく頼む」
そう言って握手しバルバラに向けて出発した。




