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 いいおさけよーし!ぷれぜんとよーし!パーティー用に作った衣装着て指さし確認をしながら何か忘れている気がして落ち着かない、ロット女性なら花ですよ、と言ってきたがシャストの町までは最低でも三日掛かる、こっそりとオリトの所へ行き相談するとドライフラワーとかペーパーフラワーリースを教えてもらった。

 ちょうど在庫が有ると言う事でペーパーフラワーの赤い花束を購入して持って帰った。



 ◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆



 町を出て三日、シャストの町・・・名前忘れてるわ・・・「ジャゴンです」とロットに突っ込まれたがまあいい・・・

 ジャゴンに到着し入門に時間が掛かるかなぁと思ってたらまさかのフリーパス、


「普通貴族の紋章を付けてる馬車は止めません」


 と叱られてしまった・・・


「でも俺の普通では持ち物検査とかさ?」

「貴族の馬車への持ち物検査はその貴族を疑っていると言う事になり険悪になったり下手をすると決闘や戦争になる場合もございます」


 ・・・またまたーロットの言う事は大げさなんだから・・・マジなの?


「十分お気を付けください」


 貴族怖いな・・・


 さて、パーティーは夕方から、まだ昼前だからだいぶ早くついたなさてどうするか・・・


「先に到着の挨拶をエロールド子爵様にされた方がよろしいかと存じます」


 そんな仕来たりあったかなぁと思っていると


「仕来たりではなく、一般的なマナーです」


 ロットが表情から読んで注釈を入れてくれる、ありがたい事だ。



 ◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆



「マルコン、よく来てくれたな、こういう席は苦手だと思っていたが来てくれてうれしいぞ」

「本命は夜からだけどな」


 と言って良いお酒を渡しておく、小さめの樽に入ったワインだがオリトの折り紙付きなのでさぞかし美味いだろうとひそかに期待しているのだ。


「おいこれ・・・すまんがこんなの持っててパーティーに出さないとなると上の方の貴族がうるさい、すまんがパーティー用に回させてもらう、そん代わりと言っちゃなんだが今度埋め合わせさせるから・・・」

「そこまでいい酒だったのか?」

「陛下がまた飲みたいと駄々をこねるくらいには・・・」

 あの小樽で騎士爵の歳費一年分くらいです、請求が怖いですなとロットが小声で伝えてくる。

 と言う事はあれは最低二百万ゲンはするって事か・・・



 ◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆



 日が暮れ始め、パーティーが始まる、『マルコン・オセロと申します、新参者ですが…』この挨拶を何度しただろうもう疲れてきたよ・・・シャストも主催者なだけあって挨拶回りが忙しそうだ、そうそう持ってきたワインだがシュタイナー公国のスタインベルガーの四十年物と言う貴重な物らしくシャストがこのパーティーの為に俺が探して持って来てくれたと言ったため公爵様や伯爵様にお褒めの言葉を頂いた。


 そして漸くこのパーティーの主役シャストの妹、ニーロティアさんの登場である、緩やかなウェーブをかいた金色の髪、白磁のような白い肌、人形のような整った顔、そして豪華なドレスと締まるところの締まった美しい肢体・・・そのすべてを全部ぶち壊す挨拶がお嬢様の口から発せられた・・・



「よう、暇な爺婆、俺様の為によく集まった、今日はオセロっておっさんが良いワイン持ってきたらしいから楽しんでくれ」


 シャストが崩れ落ちた・・・そして使用人と思われる人たちがニーロティアさんを引っ張って奥に連れていく・・・皆この挨拶が分かっていたかのように笑いあっている。


 シャストに駆け寄り起こしてみるが・・・アカン白目剥いてる・・・頭をさすりながら再度ニーロティアさんが出てきて今度はまともな挨拶を・・・カンペ見ながら済ませた。

 拍手が起こるって何なんだと思いつつ周りを見ているが普通貴族て失礼なとか言い始めるんじゃないの?なんでそんな微笑ましいというか珍獣見てるような目になるのか不思議だ。

 プレゼントを渡し無難に乗り切ろうとするがアクセサリーと一緒にペーパーフラワーを渡すと泣かれた・・・解せぬ


 そこでまた会場中が爆笑と驚愕の渦に飲まれる、シェストが駆け寄ってきて「正気か?」と聞かれた・・・ネタをばらせばこの世界ではペーパーフラワーを渡すことはプロポーズであり、枯れぬ花のように相手に枯れぬ愛を送ると言う意味が有るそうだ・・・やっちまったあああああああ、まさか意味を知らなかったなんて言ったら・・・「まぁコレだな」と首に手を当てスッと引く・・・斬首ですか?「いや、ティアに切られる」


「旦那様、不束者ですがよろしくお願い申し上げます」


 急遽婚約パーティーとなり、貴族の面々からは蛮勇の勇者とか戦乙女を御した者とか無謀者とか無知って怖いね・・・様々な尊敬や哀れみの混じった瞳を向けられた・・・俺これから一体どうなるんだ・・・



 ◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆


 パーティーも終わり、シャストの部屋で二人で飲んでいる、毎年の風物詩として一部の貴族はティアの挨拶を楽しみにこのパーティに来ていると聞いた。何でも今年こそまともな挨拶ができるか?という賭けまで行われているそうだ・・・

 ニーロティアは昔から可愛くてなぁから始まり詩人の英雄に憧れて剣を振り始め今じゃ騎士団に女性枠が有ったら確実に入れるだろうというほど強くなってしまったと言う事らしい・・・しかし年齢も二四となり、周りの女性が結婚し子供を産んでいるのを見て内心焦っていたんだろう、とシャストは飲み過ぎたのか声が大きくなってきている、注意しようかと思ったところでドアがぎいぃっと嫌な音を立てて開くとそこには鬼の幻影(スタンド)を背負ったニーロティアさんが立っていた・・・


「旦那様失礼いたしますわね」


 と可愛く言ってシャストを片手で引きずっていく姿でさえ美しく、失言には今後気を付けようと固く心に誓った。



 ◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆



 町の再開発と並び、俺の結婚を如何にするか?と言う会議が連日話し合われるが町の方はするすると決まるが結婚を如何にするか?という話は一向に進まない・・・

 しびれを切らせたティアがこの町に来る前に・・・おや誰か来たようだ。



 ・・・・・・けっこんのはなしはだいしきゅうで、おうとのきょうかいであげることをここできめました、みんんんんな・・・けっこんのじゅんびをいそいでください・・・・・・





 クドから聞いた後の話では目が死んでいたと言う事だった、三日経った今でもあの時の記憶が曖昧だ、結婚式は三週間後、招待状などの都合でこれが最短だ、シャストも俺も準備に余念がない、遅れたりミスが有ったらシャストが消されかけない!俺の安全は約束されている、体の安全だけだが・・・





6/3 修正

あの小樽で男爵の歳費一年分→あの小樽で騎士爵の歳費一年分

鬼の形相をしている→鬼の幻影を背負った

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