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三人称練習シリーズ

無の彩り

作者: 秋雨そのは
掲載日:2017/12/29

えっと……ほとんど知識不足なので、わけがわからない部分あると思います。

ご了承を……。

 景色という物が見えた時に感じた物は無。

 白い部屋の白い服を着た人に感じた事も。

 青い空を飛ぶ白い物体も、茶色の上に緑色の点々もそこに何があっても無かった。


 そこには必ず色が存在する。

 そこには何も色が存在しなかった。


「――問題無いですか?」


 白い服が最初に発した声の前半が、意味が無いように感じる。

 答えなかった、そこに音が無いから。

 


 音が理解出来る物には色が明るい、暗いが存在する。

 音が理解出来ない物には色が存在しない。


「どこに行くんですか」


 声に何も感じない、どこに行こうと構わないような言い方。

 歩けど、音も色も自分には何も無かった。

 外に出ようともそこには、色や音を感じても自分は感じ無い。


 周りを表現すれば景色が彩られる。

 周りを表現できなければ、景色が無い。


「返事をしませんか、まぁいいでしょう」


 後ろから聞こえてくる音。

 自分が発しようとしても何も出ない。

 何も気にならず歩いていく、そこに喋りかける人がいた。


「こんにちは、これが?」


 周りの無から1つだけ様々な色や音があった。

 1歩ずつ近づく音や、高くて明るい色と好奇心を含んだキレイな声。

 この美しい人は誰なのだろうか。


『……』


 先程まで聞こえた音は、何も発しない。

 自分は何も発する事はない。


「うーん、じゃあ……こんにちは」


 キレイな声で、様々な色を含んだ音は伝わった。


『こんにちは』


 自分にも音を発する事が出来た。

 何も無かった音が初めて、そこに生まれた。

 何故その音を発する事が出来たのか、それは同じ音を知っていた。


 知らない音は発する事も出来ない。

 知っている音は発する事が出来る。


「喋った! なら次はね……さようなら」


『さようなら』


 一緒の色は表現が出来ない、ただそこにあるのは同じ音。

 だけれど自分に1つ1つ音が入っていくのがわかる。

 もっと教えて欲しかった、自分の知らない音が入っていく様に。


「うんうん、えらいえらい」


『……』


 その音には明るい色が感じたが、返す音が無かった。

 いつか自分はこの音を、音で返すことが出来るだろうか。

 何か手を動かしているが、無に近い音。


「それじゃ次は……ありがとう」


『ありがとう』


 音が発することが出来た。

 もともと知らない音だったけれど、発する事が出来ていた。

 こんにちは、さようならも同様だった。


「うん、これ私にやらせてください!」


「本当かい? 実はどうすればいいか迷っていたのだよ」


『……』


 無意味の音を紡いでいた。

 自分は何も発する事もしない、何も知り得ない。

 不意に首あたりの何かを抜かれて持ち上げられた。


 自分の意思では動けない。

 自分の意思で動こうとしないといけない。


「もし、これに命を吹き込んでくれるなら全力で協力しよう」


「大丈夫ですよ、私の言葉に反応してくれたんですから」


『よろしく、お願いします』


 しっくりきた音があった。

 その音は元からあった気がする。

 この人なら、自分に音をくれる気がする。


 もし、自由に音を発する事が出来るようになった時は。

 どの音よりも発しようと思う。


『ありがとう』


 と、その時には色と一緒に伝わるといいな。

 そうして、黒い世界へ消えていった。



 音は色々な色と共にあり、その音には表情が存在する。

 今はもう、何も発せない自分では無かった。


「今日は、どんな歌を聴かせてくれるんだい?」


『そうですね、マスターにありがとうを』


 大きな身体は、テーブルという物からでも大きく感じる。

 あの時から、自分を育ててくれた方に。

 自分というロボットを育ててくれた方に。


 ありがとう。

お読みいただきありがとうございます。

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