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花火  作者: 月田 咲
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日常


 私が高校生活で築いてきた人間関係は、3年目の残春にすべて崩れた。

 きっかけは仲の良かったグループ内の男子、隼人に告白されてからだった。隼人のことは恋愛目線で見ることができなかったが、きまずくなってしまうことを恐れ、告白を断ることができなかった。そんな私の曖昧な返事のせいでしばらく友達以上恋人未満のような関係が続いた。


「ゆな…お前勉強するために来たんじゃないのかよ」

バレーボール部に所属していた私は、オフの日は必ず隼人の家に行っていた。

「発展化学なんてわかるわけないし…テストなんていらないよ!教科書捨てていい?」と、いつものように私が悪ふざけをすると隼人もそれに便乗する。

ガコン

「あ、お前の教科書マジでごみ箱に入ったわ」

「隼人勉強しなくたっていい点数とれるんだから寝ようよ!隼人の布団暖かい!!」

「疲れたからってすぐ人の布団の中入るのやめてくれよ…」と、言いつつもぞもぞと布団に入ってくる隼人。そして、お互いの体温を確認した後に唇を重ねる。手を握り合って眠りにつく。セフレのようなそんな日常。


「あ」

家に帰り鞄を開けると化学の教科書が見当たらなかった。

「あー…明日小テストあるじゃん…え、なに、隼人?もしもし…?」

「もしもし?ゆな、靴下と化学の教科書忘れていったろ。」

私は人の家に行くと靴下を脱ぐという癖があるのだ。

「え…靴下も?ごめんね!あと、明日化学の小テストあるから教科書の演習問題をメッセージで送っていただきたいのですが…」

「おー、わかった。風呂でたら送るわー。じゃあまた明日なー。おやすみ。」

「おやすみ!」


 朝起きると大量のメッセージが来ていたことは言うまでもない。

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